第六章 正義の在り処編
第二百一話 『ヴォルフ・イェーガーの真の目的』
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アはセヴィルに抱き着く。
もう死んだと思っていた弟が目の前に姿を変えてるとはいえ生きているのだ。
嬉しくないわけがない。
しかし、シルビアはしばらくしてセヴィルから離れて、
「………しかし、セヴィル。あなたは今までヴォルフ・イェーガーとして悪事を重ねてきましたね。許されないことです」
「ああ、ああ………わかっているとも。だからこれで最後にしようと思っているのだ。長い年月を送り私の魂はなんとか保ってきたがそれももう限界だ。
あと、一年もしないでこの宝珠は朽ちて私は死んでしまうだろう。
だから私の願いはただ一つ。姉さんが『創造物質化』を再び使えるようになることなのだ」
「再び、創造物質化を………?」
それでシルビアは思った。
セヴィルは魔術の世界のアインツベルンと同じく失われた術を追い求めるあまりかつての威光に取り憑かれているのかもしれない、と。
「………キャスター」
そう言ってセヴィルは今の今まで姿を見せなかったキャスターを呼ぶ。
するといつの間にかそこにはフードを着た女性が立っていた。
「キャスター、ですか………? しかし、メディアでも私が失った創造物質化を蘇らすことは不可能では………」
「何を勘違いしているのかは想像はつくが、このクラスカードは裏切りの魔女メディアではない。ルールブレイカーを使ったのは“投影”したからだ」
「投影………? まさか、ではそのクラスカードの正体は!」
「そう、英霊エミヤ。いや、本来のエミヤとは違うが、シホ・E・S・高町が英霊化してクラスカードに宿ったのがこのキャスターの正体だ」
そう言ってキャスターは無言でクラスカードを地面に置く。
それを恐る恐るシルビアは拾う。
そしてキャスターと呼ばれたホムンクルスは役目を果たしたのか塵となって消えてしまった。
「セヴィル……。聞きます。今までどうして敵対行動を行ってきたのですか? こんな回りくどいことをしなければ私達は素直に巡り会えたというのに………」
「姉さん、いや、シホ・E・S・高町には成長してほしかったのだ。危ういままでは姉さんの魂と融合していても不安だからな。だが、結果シホ・E・S・高町は自身の正義を明確にできた。だから私はこうして姉さんと会う決意をしたのだ」
「セヴィル………」
―――キシッ!
すると右目の宝珠に突然ヒビが入る。
「くっ!? 予定より早く私の魂の崩壊が始まったか! 姉さん、そのクラスカードを胸に当ててくれ! そうすればクラスカードはシホ・E・S・高町の魂と協調して融合するはずだ!」
「し、しかしセヴィルは………!?」
「私の事はもういいのだよ。それより今まで使わせてもらっていたこの体の本来の持ち主を保護してやってくれ……。ノアや捕らえていた魔術師達も………そして
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