第一章
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そこまでいっているのも当然であった。
「お菓子食べたり」
「何だ」
「ちっ、期待させやがって」
皆すぐに顔を戻した。晃子がぼけただけなのだが今回はそれに助けられた。義弘はまたしても胸を撫で下ろした。いい加減心臓がもたないと思った。
「いつもしてるじゃない。それがどうしたのよ」
「じゃあ公園でなんだな」
「うん」
晃子は頷いた。
「お星様でも見ながらね」
「ああ」
「お菓子食べてお話しようよ」
「わかったよ。けれど何でお星様なんだ?」
「すぐにわかるわ」
晃子はここではにこりと笑うだけであった。ぼけもしなかったしとんでもないことも言わなかった。義弘はそれに内心彼女ではなく神に感謝していたが結局は彼女のペースに捉われてしまっていた。今日の放課後デートをすることになった。そして相変わらず晃子のペースのまま学園生活を送り、部活に言った。ずっと側には晃子がいる。
「おい御前等」
部活の時あんまり晃子が義弘にくっつくので見かねた顧問の日樫先生が二人に声をかけてきた。
「少し離れろ」
「えっ」
「少しは他の人間のことを考えろ」
先生は苦笑いを浮かべながら言う。
「あのな、付き合うのはいいんだよ」
「いいんですよね」
「だから話は最後まで聞け」
晃子は自分に都合よく解釈しようとするが先生はそうは許さなかった。すかさず突っ込みを入れてそれを防ぐ。そうしたところは流石であった。
「そんなにくっついてるのを見せられるとこっちが困るんだ」
「困るんですか?」
「そうだ。全く、妬けるというか何というか」
「いいじゃないですか、誰にも迷惑かけてるわけじゃないですし」
「かけてるよ」
先生はまた突っ込みを入れた。
「とにかくくっつき合うのも程々にしろ、いいな」
「わかりましたぁ」
「わかってるようには見えないがな」
手を離しただけで側にいることには変わりがなかった。先生も呆れて苦笑いするしかなかった。晃子は部活でもずっと義弘と一緒だった。そして部活の時間を過ごした。
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