第八章
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な。俺と御前はな」
「何言ってるのよ」
その言葉を聞いたエリーは何を今更といった感じで夫に言葉を返した。
「そんなの当然じゃない」
「当然か」
「そうよ。私達は一人でしょ」
「ああ」
「だからよ。二人で一人じゃない」
また言うのだった。満面の笑顔で。
「だからずっと一緒よ。いいわね」
「そうだな。二人で一人だからな」
「だからね。行きましょう」
夫の手をそっと握っての言葉だった。
「ずっとね」
「ああ、ずっとな」
二人の笑顔は同じものだった。その笑顔で向かい合い。そうしてそのまま同じ世界に入るのだった。お互いの目を交えさせて。
片方ずつ 完
2009・10・19
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