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俺が愛した幻想郷
プロローグ
第二話 奇妙な空間
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を感じて歩く

ふと、気づいた
ずっと歩いているのだが、出口が見つからない。森から抜け出せないんだ

かれこれ行きよりも長く歩いているのに
全然、全くもって外が見えてこない
何故だ? ちゃんと来た道を戻っているはずなのに....

「おいおい、この歳になって迷子かよ」

思わず口に出してしまう
ため息を着いて、目を瞑りながら右手で頭を掻きむしり、歩く


「.....っ!?」

突然の出来事に何秒か固まる

直ぐに頭を回転させ

一歩後ろに下がる

そう、俺は目を瞑っていた
そして目を開けると
俺の直ぐ目の前
目と鼻の先の距離に、顔があったのだ

そして、その顔.... もとい人物をよく見る

「あ.... あんた、もしかして」

そう、全然変わらない
当時、俺の前に現れた女性、俺の頭を撫でたあの女性だ

あれから何年も経っているのに、何も変わっちゃ居ない。今はそこが問題なわけではない

聞かなければ
話さなければ

口を開き、一つ目の言葉を発しようとした瞬間
俺の周りの景色が一気に変わった

あの木だらけの緑ではない

目だらけの紫だ...

ギョロギョロと目が動いている
目玉ではない。ちゃんと瞼が着いているようだ

ギョロ目の空間
なんて言ったらいいのか

そして、暗い紫色の空間
その空間の中に、俺は居た。俺の前に、あの女性
女性の全体が見れた
上半身だけでない、下半身もだ

やはり、不思議な服を着ている

ダメだ
今俺が何処にいるかも何をしているかもピンと来ない...

一言で、驚愕。驚いていたんだ

そんな俺を見て

「久しぶり」

女性は初めて、俺に声を聞かせた
返事をしようと試みたが
身体は正直だ、口はパクパク動くだけで声が出ない。人間は驚くとそうなるだろう?

「そうね。私は八雲紫(やくもゆかり)

八雲紫、女性はそう名乗った
恐らく、この女性は俺より歳上だ。だから、とりあえずは八雲さんと考えておく

「ん〜... その状態じゃ話は出来なそうね。落ち着くまで待ちましょうか」



ぺたりぺたりと見えない地面を歩いて行ったり来たりしている八雲さんが俺の目の前には居た


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