第四章
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義母の都にもだ、こう言われた。宗吾の妻そしお寺の奥さんらしくとても穏やかでそれでいてしっかりとした人だ。
その人がだ、こう彼に言ったのだ。
「蒼弥さん、無理はしないでね」
「いえ、僕は別に」
「修行はするべきよ」
それは絶対にというのだ、やはり寺の奥さんである。こう言う辺りは。
「けれどね」
「無理はですか」
「蒼弥さんは蒼弥さんだから」
「お義父さんの様にはですか」
「ならなくてもいいのよ」
都もこう言うのだった。
「そのままで自然にね」
「修行していけばですか」
「いいから。だからね」
「お義父さんの真似はしないで」
「蒼弥さんのままでいてね」
「修行をですね」
「していけばいいから。仏様だってそれぞれよ」
仏といってもそれぞれだ、如来や菩薩だけでなく明王、天と様々だ。そしてそその様々な仏にもそれぞれの性格がある。
それでだ、都は蒼弥にこうも言うのだ。
「蒼弥さんは蒼弥さんでいいの」
「そうなんですか」
「うちの人とは違う人だから」
こう彼に言うのだった、そして。
蒼弥は妻の雅に寝室でだ、布団に並んで仰向けに寝ながら話をした。一緒に寝ている子供達はぐっすりと寝ている。
布団の中でお互い寝巻きのまま仰向けに寝ている、彼はその中で雅に子供達そして都に言われたことを話した。
そのうえでだ、妻に問うた。
「どう思う?」
「子供達、お母さんに言われたことね」
「僕は無理をしてるのかな」
かなり率直にだ、妻に問うた。
「やっぱり」
「そうね、あなたはあなただからね」
雅は少し考えてから夫に答えた。
「だからね」
「お義父さんみたいにならなくてもいいかな」
「ええ、あなたらしくね」
そうしていていいと言うのだった。
「自然体でいけばいいんじゃないかしら」
「けれどそれだとね」
「お父さんみたいになれないっていうのね」
「そう思うけれど」
「お父さんにならなくてもいいんじゃないかしら」
ここでだ、雅もこう言うのだった。
「別にね」
「何でそう思うかな」
「ううん、お父さんはお父さんで」
「僕は僕だから」
「無理しないでね」
「自然にだね」
「ええ、あなたらしく修行して」
そしてだ、こうも言うのだった。自分の夫に。
「お父さんにならなくてもいいのよ」
「お父さんみたいな住職さん、お坊さんになりたいけれど」
「完全にお父さんになりたいの?」
雅は蒼弥に顔を向けて彼に問うた。
「あなたじゃなくて」
「僕じゃないって」
「だって。このままいったらね」
「無理をしてそのうえ」
「あなたじゃなくてお父さんになるのよ」
「そうなるのかな」
「そんな感じになるわ、それだとね」
雅はだ、眉を曇らせてだ。少し覚悟を決めた顔に
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