第六章
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「タイ料理のな」
「そいつはいいな」
「ああ、じゃあ勝って来いよ」
「チャンピオンの座を奪い返してな」
「そうして帰って来い」
まさにだ、そうしてからというのだ。
「わかったな」
「そうしてくるな」
「それじゃあな」
こう二人で話して試合に向かうのだった。そうしてそのチャオとの再戦に入った。チャオは流石に強かった。
激しいトレーニングを積んだホアに一歩も引かない、その彼を観てだ。
一ラウンドが終わった時にだ、インタウは青コーナー向こう側にいるチャオを観ながら座っているホアに対して言った。
「強くなったな」
「前の試合の時よりもな」
「御前が前に負けたのもな」
「あの技がなくてもな」
「当然だったかも知れないな」
そこまでの強さだというのだ、彼は。
「本当にな」
「そうだな、しかしな」
「御前も強くなっているからな」
「勝つのは俺だよ」
例えだ、そのさらに強くなったチャオが相手でもというのだ。
「絶対にな」
「そうだな、あの技を身に着けたからな」
「それも足だけじゃなくてな」
「拳もだからな」
「それでだよ」
彼は言うのだった。
「勝つのは俺だよ」
「じゃあ見せてもらうな」
「ああ、俺の勝ちをな」
こうインタウと話してだ、そしてだった。
彼はリングに上がった、試合は前回のそれ以上に激しいものだった。それはまさに二匹の虎の激突の様だった。
その中でだ、チャオがあの蹴りを放つと。
ホアもだ、その蹴りを放ち。
互角の勝負をしてみせた、自分のその技を相手も使ったことにチャオは驚いたがそれでも試合を続けてだった。
やはり五分と五分の勝負を続ける、そうして最終ラウンドを迎えた。その最終ラウンドで遂にだった。
ホアは拳を連続して放った、それでだった。
チャオを攻める、チャオはそれに対しようとするが。
限界があった、やはり彼の拳はその足に比べて弱かった。それで攻撃を受けても充分に防ぎきれなかった。
それでだ、試合の判定は。
ホアのものだった、彼は見事チャンピオンベルトを奪い返した、そのうえで。
彼は祝いのパーティーの場でだ、インタウに祝いの酒であるビールを飲みつつ言った。
「約束した通りになったな」
「ああ、そうだろ」
「あそこで拳を使ったか」
「最後のその時にな」
まさに勝負を決めるその時にというのだ。
「出したんだよ」
「切り札を出したってことだな」
「そうだよ、それが上手くいったな」
「そうだな、やだな」
「ああ、けれどだよな」
「向こうも負けたにしてもな」
それでもだとだ、インタウは言うのだった。
「目は死んでいなかったからな」
「今度は立場が逆になるけれどな」
チャンピオンと挑戦者、立場はそうなったがというの
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