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技には技で
第三章
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「かわせないのならな、いや」
「わかったな」
「あれだけの攻撃、受けるとな」
 例えだ、不正でもだ。
「そうしてもな」
「押し切られるな」
「同じだ、かわせるものでもなし」
「防げるものでもないか」
「だからあいつの蹴りは強い」
 それ故にというのだ。
「御前も負けたんだ」
「あの時俺はかわそうとした」
 ホアはインタウにチャイとの試合の時のことを思い出しつつ語った、それは最早一瞬でも忘れられないことだ。
「それでもかわしきれずに」
「負けたな」
「その時と同じか」
「そうだ、かわそうとすればな」
 まさにとだ、インタウも言う。
「あの時と同じになり」
「防ごうとしても」
「同じだ」
「負けるな」
「前の試合の繰り返しになる」
 そうなるだけだというのだ。
「他の方法でいくしかない」
「じゃあどうすればいい」
「かわしても駄目、防いでも駄目ならだ」
 それならばとだ、インタウはホアに強い言葉で告げた。
「他のやり方しかないだろう」
「やられたらか」
「やり返す」
 ここでこう言ったインタウだった。
「それだな」
「それしかないか」
「なら御前はやられっぱなしで黙る男か」
「馬鹿言うなよ、それでムエタイ選手なんてやれるか」 
 ホアはにやりと笑ってだ、インタウの今の言葉に応えた。
「やり返す」
「そうするな」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「あいつとの再戦も目指してるんだよ」
「今度こそ勝つ為にな」
「やり返す」
 絶対に、という口調だった。
「今度こそな」
「じゃあどうするかだ」
「かわしても駄目、防いでも駄目なら」
 また言うのだった、それは答えを導き出す為だった。
 そしてだ、その答えはというと。
「やり返すだけだ」
「そういうことだな」
「ああ、やっぱりそれしかない」
 考えてみてだ、この答えしかなかった。
「あいつのあの蹴りにはな」
「じゃあ具体的な方法に入るか」
 話をそこに進めようとだ、インタウは言うのだった。
「どうするかだ」
「本当に具体的にだな」
「また言うがあいつの蹴りは速い、そして数も多い」
 その連続した蹴りの突きがというのだ。
「それにどうやり返すから」
「そうだな、それにやり返すにはな」
 ホアはインタウにスパーリングでの蹴りを浴びせ受けてもらいつつ言う、そうしながらも深く考えているのだ。
「数だな」
「それにスピードだな」
「その二つしかない」
「蹴りの力も同じ位だ」
「いや、待て」
 ここでだ、インタウは言った。
「あいつは左足で蹴りを出していたな」
「そこにあるか」
「ああ、あいつの利き足は左足だ」
「御前の利き足は右足だな」
「俺は右足を使う」
 そうして、という
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