第六章
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カルロスの店に行きそうしてだった、妹夫婦の店の事情を話した。そしてそのうえで彼に頼むのだった。
断られることは覚悟していた、だが。
カルロスは笑ってだこうフェリペに答えた。
「わかった、日曜だな」
「おい、いいのか?」
「ああ、デリラちゃん達の店に行ってな」
そうしてだというのだ。
「それから作るからな」
「けれど御前その日疲れてるだろ」
開店早々で大忙しなうえに休日の日曜日だ、客も多く余計に疲れていることは容易にわかった。彼も店をやっているからだ。
「それでもいいのか」
「いいさ、言っただろ」
「俺が困ってる時にはか」
「助けるってな」
こう言ったことを今も言うのだ。
「そう言ったからな」
「今そうしてくれるのか」
「ああ、そうさ」
「悪いな、それは」
「いや、御前の願いだからな」
それだからこそとも言うカルロスだった。
「聞くさ」
「そうしてくれるのか」
「ああ、じゃあな」
こう話してだ、そしてだった。
カルロスは日曜にデリラとハイメの店に行くことにした、そうしてだった。
自分の店が終わり明日の準備も出早く済ませてそのうえで二人の店に行って早速厨房で料理に入った、そのうえでデリラ達本人からその客達のことを聞いた。
「やけに偉そうだったのか」
「ええ、そうなの」
「ふんぞり返ってましたよ」
二人は眉を顰めさせてだ、カルロスの調理を手伝いながら彼にもその客達のことを詳しく話したのである。
「何様って位に」
「それで料理が合わないとか言って」
「お店の中で怒鳴り散らして」
「そしてお皿も投げてたんですよ」
「本当に日本人も色々だな」
フェリペにも言ったことをここで言うのだった。
「そんな奴もいるんだな」
「そうみたいね」
「日本でも碌でもないのがいるんですね」
「本当にヤクザかと思ったわ」
「ゴロツキじゃないかって」
「まあ品性はそうだな」
ヤクザやゴロツキクラスだとだ、カルロスも言う。
「話を聞く限りな」
「それで化学調味料も駄目とか」
「お店の中で煙草吸うなとか他のお客にも言って」
「酷かったのよ」
「最悪でした」
「そうした客はお仕置きをしないとな」
笑って言うカルロスだった。
「是非な」
「じゃあ今からね」
「そのお料理を作ってですね」
「そうしてなのね」
「お仕置きしてくれるんですね」
「フェりぺの選んだ酒ならな」
それで、とも言うカルロスだった。
「それに合う料理を今作ってるさ」
「じゃあお願いね」
「カルロスさんにお任せします」
「頼むぜ」
やはりカルロスの調理を手伝っているフェリペも言って来た。
「店の中で騒がれたらたまったものじゃないからな」
「本当に営業妨害だからな」
「また騒がら
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