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魔法薬を好きなように
第28話 始祖の降臨祭始まり
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「だから、坊ちゃんはやめろよー!」

「はっはっはっ。失礼いたしました。ジャック様はどうなされるんですか」

「面白そうな店を探してブラブラしてるつもりだが」

「ご一緒させてください」

「お供いたします」

えーい。2人してくっついてくるな。

「俺が行くのは娼館だぞ!」

「いやっ、そのっ」

「ついていくというわけには、いきませんな」

あー、よかった。しばらく禁欲生活が続いていたからな。最後は、ティファンヌと会った日の前日だったか。夏休み最初は、収入が前年並みと計算してつかっていたから、ティファンヌとのデート代がたりなくなったんだよな。『遠見』の魔法と思われる変な視線も、トリスタニアの娼館に行く時にまいたしな。

ティファンヌと連絡がとれないのは、あいかわらずだが、本国と自由に情報がやりとりできないのは、戦争ではよくあることだ。しかし11月後半ぐらいからならともかく、11月の初旬だからな。戦争が終わってから直接聞くというのが良いのだろうが、この戦争もいつ終わるのやら。なんか、このまま、ずるずると消耗戦をしかけられたら、トリステイン王国が借金まみれで、借金でつぶれるぞ。

まあ、それはともかく、このシティオブサウスゴータは観光名所だ。そういうところには必ず娼館が存在する。最上級とはいかないまでも上級と評判の店をあたると、日の光が高いおかげか、すんなりと交渉はまとまった。

娼館からの帰り道、『慰問隊』が到着したことを知った。ちょこちょこっと探ってみたが、店が開かれるのは天幕という話であり、普通に考えたら娼婦はいないだろうとの結論にいたった。若い女王だから、戦場の兵士にそこまで規律を、もたらしているのだろう。まあ、こういうのは、ひそかに楽しむのも一興と思い直して、宿舎にもどった。

その後はしばらく、農民兵たちには1日1回はテントにもどって、帰ってきたことを誰かに確認させて、それを中隊長が確認するということにしている。

俺は昼間は例によって、『アンドバリ』の指輪を探すのに、各地の井戸を中心に水脈の調査をかねている。そんな俺についてくるのは、2人の中隊長がかわるがわるについてくる。
夜はというと、年が明けた1月(ヤラの月)の最初の日、花火が夜空を彩った。

そんな中で、見つけた天幕の店は、『魅惑の妖精』亭。1人の中隊長と一緒に入ると店長のスカロンがいて、

「いらっしゃいませ〜〜〜! あら! 戦地にいってらっしゃたのですね〜」

「戦地では初めてだね。今日の妖精さんたちに、チップは?」

「ここにいる間は、そのようなことはありませんは。その代わり、手短になってしまいますけど」

「ああ、了解」

見回してみると、ギーシュの姿をみつけたので、

「あそこに知り合いが
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