第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
七月二十七日:『星辰の日』T
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…まだ、繋がり始めたくらいか。ルーンの癒しや、錬金術の応用で『金属』を繋げた事。そして、元々の回復力の高さで、何とか復帰した。
「ほうほう、これが映写機という奴か……ふぅむ、何故に絵が動くのやら」
『てけり・り。てけり・り』
「…………」
リビングの、朝の某変身ヒロインアニメが流れているテレビにかじりついている悪姫と床上を蠢く不気味な粘塊とかを無視する道々、体の調子と共に確認した時間は五時二十分。風紀委員の活動までは、まだ三時間ほどある。
冷蔵庫から、凍ったお握り六つを取り出してレンジで加熱、十分。その間に残り三分でカップ麺三つにお湯を注ぎ、待つ。
「ほう……何故、握り飯をくるくる回しながら照らしておるのじゃ? そもそも、これはどんな絡繰じゃ?」
「温めてんだよ、電磁波で。これはレンジ、食べ物を温める機械」
「ほう……して、『電磁波』とやらをあてると、何故温まる?」
「水分が振動して熱を発生させる……らしい。やり過ぎると爆発するからな、勝手に使うなよ」
「なんと、爆発とな!?」
「目を輝かすな」
寄ってきた市媛に応じていると、そこで丁度レンジが鳴る。取り出されたホカホカのお握り六つを片手で器用にジャグリング……は無理臭いので、受け皿ごとテーブルへ。
因みに嚆矢は醤油、市媛は味噌。そしてショゴスは犬用の餌入れに、塩ラーメンをお握りに引っかけたねこまんま。何気に、一回で三食分の費用がかかってしまう事になったが。
──最近の暗部って、儲かるんだな……新聞配達のバイトの四ヶ月分だったぜ。
沈利に貰った報酬のマネーカード、その金額にコンビニ内で鼻水を吹き出したのが昨日の夜半過ぎ。
お陰で、深夜の交渉時は嫌に落ち着いてしまったが。
「そういや、あの鎧の夢を見た」
「そうか。あのまやかし、なんと?」
「『このままでは済まさぬ』だと。“第六元魔王”様は」
「呵、負け犬の遠吠えほど心地よいものはないのう」
「悪趣味な」
唐突に、話を振る。しかし、市媛はほとんど無関心でラーメンをすすっている。当然だが、箸使いは巧みだ。
そこで、話が途切れた。後には、ラーメンを啜る音とショゴスが餌を貪る音。
「あぁ、そうだ。俺、今日は夕方まで居ないから……大人しくしとけよ、見付かったら退去もあるかなら」
「管理人とやらだったか? 呵呵、心配無用じゃ。あの小娘どもの時を忘れたか?」
「それもそうか……だからって、迷惑になるような事すんなよ」
「わかったわかった」
揃って食事を終え、ゴミを捨てて箸を洗って水切りに。時刻、
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