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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第10話:情報網は其処彼処
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僕は一発で真面目なアルルを虜にする事が出来るゾ!」
「ええ、そうだと思います! 陛下のテクニックは人知を越えてますから!」
そうさ、絶対そうさ! 思考を読まれるから、肯定意見しか考えない様にしよう。

「でも何とかしないと、リュリュだけじゃなく周囲の男共まで不幸になる。何時までも独り身だと“オレにもチャンスはあるかも?”と勘違いした馬鹿が、同じように何時までも狙い続けて出産率低下に繋がるかもしれないでしょ! リュカとの一発をエサに、一見するとフェアに見える交換条件を提示して、実は一方的に諦めさせるべきでしょ。得意でしょ、そうやって人を陥れるのはリュカ」

「最終的には僕に対する暴言にしか聞こえなかったけど、ドリスの言う事は尤もかもしれない。口の悪い妻を持った旦那さんの意見はどう?」
「“どう?”と言われましても……若い兵士を誑かすのさえ収まってくれれば、私はリュリュが誰と契りを交わそうが気にしません。今思えば、いっその事殿下との仲を認めて戴ければ面倒が無くて良かったなと思います」

「他人事だなぁ……そんな事したら遺伝子的にダメな事になるんだぞ! よく解んねーけど、(なん)かダメな事になるって聞いたんだぞ! 生まれを選べない子供に、親の勝手で不幸を押し付けるのは良くないんだ……」

「それは大丈夫よ。あの真面目っ子が、兄妹と判っててリュリュと子作りすると思えないわ。最近やっと冗談が通じる様になってきたけど、それでも真面目ぶりはグランバニア王家の歴史の中でダントツだから」

「ふっふっふっ……御先祖の中にはティミーを上回る真面目が居たぞ。ピンクの鎧を着込んだ一見奇抜なヒゲだったけど、あの真面目っぷりは父さん(パパス)以上だった」
陛下達がマスタードラゴン様に仕組まれて、過去に度だった時の事だろうか?

「じゃぁアンタが突然変異なんじゃない、リュカ。アンタからよ奇人が続出してるのは」
「おいおい……何自分の事を棚上げしてるんだ?」
私としては、奇人の中心核なのだから他の奇人を取り締まってほしいよ。

「ピピン……自分は常人って面してっけど、奇人の国じゃ常人は生き辛いんだぞ、解ってんのか?」
「解ってますよ、勿論。職場も家庭も気の休まる場所など無い……唯一の安らぎは息子(ピパン)の顔を見てる時だけです」

「ムカつくわね……私に惚れて告白したのは貴方でしょ!」
「気の迷いだったのだろう……出逢いがシマシマパンチラからだったから、アレに惚れてたんだろう(笑)」
笑いながら睨んでくる(ドリス)に、肩を竦めて言い返す。

「あぁ、あのパンツね。可愛かったよね」
そしてリュカ様が懐かしそうに呟いた。
「アンタ等ねぇ……パンツの事しか記憶に無いの?」
そう(ドリス)の嘆きに、私も陛下も大笑い。
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