第五章 楽園
第17話 ずっと一緒
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い。
なので極限まで凜袮の力を最小にし、その力を『石』に覆うことで凜袮はその状態を保っている。
その覆っている力が『石』に僅かに灯した光だ。
これもただ覆っているわけではない。
覆っている力が磁石でいう『マイナス極』で、精霊の力の残滓が『プラス極』の役割を果たしている。
そして惹きつけられた力は、切り離された凜袮の意思の方ではなく、精霊の力の方へと吸収される。
ちなみに霊力反応に引っかかることはない。
こういう仕組みらしい。
凜袮『だから私は力を回収しても私自身は力が増えないってわけ』
上条『ちょっと待ってくれ。力が増えれば凜袮が凜袮じゃなくなるのはなんとなく分かった。でも、それなら力を減らしても一緒のことが起こるんじゃないか?』
凜袮『………例えば、私が水酸化ナトリウムだとする。それをいくら減らしても水酸化ナトリウムは水酸化ナトリウムだよね?』
上条『あ、あぁ……』
凜袮『じゃあそこに塩酸が加わったらどうなる?』
上条『………あ』
凜袮『もう分かるよね?そう。水酸化ナトリウムに塩酸が加われば、水と塩化ナトリウムができる。最初は少量でも、その塩酸の量が増えていけば……』
上条『いつかはなくなる……と』
凜袮『そう。それに回収される残滓が毎回塩酸だとは限らないよね?この世界にはいろんな物質がある。硫酸や硝酸、水酸化カリウムや水酸化マグネシウム……これは精霊の力も同じ。私という水酸化ナトリウムに塩酸を加えたり硫酸を加えたりすれば、水酸化ナトリウムはいつか消える。どんな物質になるか分からないけど、水酸化ナトリウムは確実になくなる。それを避けるために力と意志を切り離したんだ』
上条『なるほど……それで切り離した力の方はどうなるんだ?』
凜袮『………それはまだ秘密。その内分かるから気にしないでいいよ』
上条『?そ、そうか……』
凜袮『そうそう。じゃあこれからよろしくね!当麻!』
上条『………ん?まさか一緒に暮らしちゃったり……』
凜袮『へ?そのまさかだよ?』
上条『……………不幸だ』
凜袮『もう、そんなこと言わないの!ほら、遅刻しちゃうよ』
上条「うおっ、いけね!」
士道「おーい、上条。まだかー?」
上条「ち、ちょっと待ってくれ!」
十香「早くしないと置いていくぞ!」
琴里「全く……朝からせわしないわね……」
佐天「上条さんらしいですね」
四糸乃「当麻、さん……急いで、ください……!」
一方「アホらし……」
上条「何でこんな時に限って筆箱がどこにもないんだよ!?不幸だあぁぁぁぁぁ!!!」
上条にしか分からないことだが、住人が一人
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