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大統領の日常
本編
第五話 暇つぶし
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参謀長のフォルツ・クリッツェル中将が申し訳なさそうに返す。

我が軍がアルテミス要塞(ベリシア共和国の北に位置し、5年前ベリシア共和国に進攻した際、5度もの攻勢にも耐え何十万ものロンディバルト軍兵士の屍を築き上げた鉄壁の要塞)を包囲してから5日が過ぎたが、いまだに敵は出てこない。恐らく援軍を待っているのだろう、統合作戦本部から連絡があった。敵の援軍があと1週間もすれば到着するらしい。戦闘終了後要塞の修復や防衛線の構築等あるから、あと5日ほどで攻め落とさなければならない。どうするのか・・・

「もうこうなりゃあの手を使うしかないか。」
大統領には何か策があるようだ。しかしどんな策を。
「は?あの手とは?」
参謀長のクリッツェル中将が質問する。会議室にいる者たちが大統領に注目した。
大統領は一呼吸入れてからしゃべり始めた。

「名付けて『ヒッキーとか自宅警備員かよwwm9(^Д^)プギャー作戦』」

「「「・・・・」」」
その言葉に会議室にいる全員が沈黙する。中には唖然としている者もいる。私もその一人だ。
『ヒッキーとか自宅警備員かよwwm9(^Д^)プギャー作戦』?何の冗談だ?しかし、大統領は真剣な顔だ。しかし、作戦名からはどんな内容か想像がつかない。

「・・・ネーミングセンスのかけらもない作戦名ですな」
いち早く再起動した作戦参謀のビロライネン少将が心の声を出す。全員の視線が彼に注目する。発言した瞬間自分が何を言ったか自覚する。
「も、申し訳ありません。軽率でした」
自分の罪を謝罪する。今度は皆の視線が大統領に注目する。怒るのではないかと思っているのだろう。しかし、大統領はそれに普通に答えた。

「名前なんてどうでもいいんだよ。では内容を説明する。」
その言葉を聞いた瞬間皆がほっとした表情をする。そして大統領が間髪入れずにしゃべりだす。

「通信送って煽りまくる。戦ってる最中でもあおりまくる。煽って煽って煽りまくる。以上!」
「「「(;・∀・)ハッ?」」」

皆唖然とした表情をする。当り前だろう、通信を送って煽りまくる?どういうことだ?相手を挑発するということだろうか?大統領がハァとため息をついて同じことをしゃべる。
「だから煽って煽って煽りまくる。以上」
「・・・????」
しかし、まだ皆唖然とした表情のまま固まっている。大統領は気にせずに笑みを浮かべながら言った。
「まあいい送る通信の内容はお楽しみにしておくといいさフフフフ・・」
「「「・・・・」」」

皆沈黙したままだ。大統領はそう告げると早々に会議室を出て行ってしまった。
そして我々が会議室を出たのは10分後だった・・・


西暦2114年 8月 23日


アルテミス要塞にロンディバルト軍から一通の通信文
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