第15話〜策略の牢〜
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ン・・・たかが獣ごときに遅れを取ってたまるか・・・」
「その通り、よ・・・あいつらもこれに懲りたら・・・!?」
サラに勝った戦闘のエキスパートとも呼べるケインが欠けていたが、土壇場でマキアスとユーシスが戦術リンクを繋げたため、円滑になった連携で打ち勝つことができた。疲弊が多少前面に出ているユーシスの言葉に同調したファミィの表情が突然曇る。彼女のその反応の意味を一同は即座に理解した。目の前に、先ほどの獣がもう二体現れたためだ。
「洒落になって、ないぞ・・・」
「・・・ここまで、なの?」
先の戦闘で完全に疲労が溜まってしまった一同が諦めかけたその時だった。
「・・・イグナプロジオンッ!!」
背後から毅然とした掛け声とともに一対の炎が現れ、獣の周りを囲みながら最後には衝突して大爆発を引き起こす。
「のぉわあぁぁぁぁ!!」
激しい爆風に巻き込まれたマキアスは、文字通り後方に転がっていく。次に目を開いた時には黒こげになって装甲の半分以上が溶けた獣たちが尻尾を巻いて逃げていくところだった。
「・・・よし。みんな、大丈夫か!?」
「大丈夫なはずがないだろう!?死ぬかと思ったぞ!!」
「い、いや、それはその何というかみんななら避けてくれるかなって思ったんだけど」
バツが悪そうな顔をして俯き加減でマキアスを見る起爆犯もといケイン・ロウハート。実際に爆風で飛ばされたのはマキアスだけであり、他のメンバーは苦笑を浮かべている。否、ユーシスだけは嘲笑であった。そんな彼を不快に思いつつ犯人にさらなる抗議を申し立てたいマキアスだったが、領邦軍の兵士に再び取り囲まれてしまった。
「マキアホ・レーグニッツに構っている場合ではなかったか・・・!」
「勝手に改名するんじゃない!何だその変なあだ名は!?」
「ふぅん、そんな手があったのね。今度から私もそう呼ぼうかな?」
「ファミィ!君も、感心してるんじゃない!!」
呼吸するかのようにマキアスを貶すユーシスに馬鹿にされた当人は声を荒げるが、改名がファミィにまで波及し、ケインやリィンに至っては声を押し殺して笑っている。完全に蚊帳の外にいる領邦軍の怒号など一同にとってはどこ吹く風だ。
「いい加減にしろ、貴様ら!!」
「ああ、怒ってるところ申し訳ないけど、あんたらの隊長は助けなくていいのかよ?」
「は?何を言って・・・」
「地下牢にぶち込まれたあんたらの隊長とその愉快な仲間たちは助けなくていいのかって言っているんだ」
さらっとえげつないことを言ってのけるケインにマキアスらの視線が集中する。挑発的に笑みを深くこそしているが、目が本気だ。おそらくハッタリではないのだろう。一方の兵士らはさすがに動揺したのか、一人が隊長へ無線を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ