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101番目の舶ィ語
第十一話。女子トイレを撮影する男
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に言われるまま、個室トイレの中をDフォンのカメラで撮り始める。

「そして、女子トイレの個室を撮影する男」

「だから仕方ないだろー!」

一之江は俺弄りを辞めていなかった。

ああ、もう、どうにでもなれ……。



それからしばらく中を撮影したが特にDフォンに何の反応もなく、俺達は女子トイレを後にする事にした。
トイレから俺が先に出た所で廊下の角を曲がって来た四条先生に遭遇した。

(危ぶねえー??
あと一歩タイミングが悪ければ女子トイレに浸入してた不審者として職員室に連れて行かれてもおかしくなかったぜ……)

「おや、トイレを案内していたのかい?」

「ええ。一之江はちょっとオカルトに興味があって」

「オカルト?
へえ、確かに綺麗なお嬢さんだからちょっと似合う趣味だね」

「だからこのトイレに案内したんですよ」

「ふむ……このトイレに何かあったかな?」

……え?

「いや、俺達の時代に『花子さん』の騒動があったじゃないですか」

「『花子さん』……?
そういう噂話が生徒の間であった、という事かい?」

……待て。待ってくれ!
おかしい。何かがおかしいぞ。
先生と一文字がこの学校で過ごしていた頃。
女子達が本気で怖がったせいで先生は対策を取ったり、注意を呼びかけたりしてくれた、と一文字の記憶にはある。
夏休みの合宿とかでもみんなでわざわざ見回りしたくらいだ。
勿論、先生も。
一文字の記憶が間違ってなければ……先生の記憶が改竄されている?
……そんな事出来る奴なんて。

「どうかしましたか?」

一之江が手を拭きながらトイレから出てきた。

「いや、ほら、一之江……」

何て言ったらいいんだ?
ヒステリアモードで導き出した答えを言うか。
いや、まだ情報が少な過ぎる。

「ああ、この学校にも『花子さん』の噂などがあると一文字君にお聞きしたので、連れてきて頂いたんです。私は趣味で民俗学を少々かじっていますので」

「ああ、そういう事でしたか。なら詳しい先生にお取り次ぎしましょうか」

「まあ、本当ですか!はい、是非お願いしますっ」

一之江はスーパーお嬢様モードで四条先生と会話して、見事図書室にまで行く事を取り付けた。

「それじゃあ、図書室に行こうか」

「宜しくお願い致します」

四条先生の案内に一之江は丁寧にお辞儀してから付いて行く。


……先生が忘れている。
あるいは記憶を改竄されている??
その事実に、俺の胸の中に広がるモヤモヤとしたものに、眩暈と似た気分を味わった。

一之江の後に付いて行った図書室で詳しい先生から話しを聞いたが、その先生は戦時中の体験や歴史については詳しく教えてくれたが_____
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