『体術』を取りに行こう!
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
あの後、無事に2層にたどり着き、開門に成功する。
その後は各自自由となり、俺は待ち望んでいた目的を果たすためにキリト達と別れた。
「我が試練を受けるか?」
そして今、目的の場所にいて、更にはそのじいさんと対峙していた。
目的はエクストラスキルの『体術』を会得するため。
このじいさんは会得クエストの発注者なのだ。
「勿論受けるさ。そのために来た」
俺は迷いなくウインドウのyesをタッチする。
するとじいさんは懐から筆を取り出して素早い手つきで俺の顔に左右3本、計6本の線を書いた。
俗に言う髭だ。
しかもこの落書き、今回のクエストを断念するとそのまま残り、消すことが出来なくなる。
アルゴが良い例だ。
「よし!素手でこの岩を破壊しろ!
それまで装備は預かってやる!」
そう言うじいさんはまたもや素早い手つきで俺の装備を奪った。
俺は抵抗せず、そのままに岩の前に移動した。
「ふぅ……」
正直時間が惜しい。
早いとこ習得してスキルを極めたい。
だから――
「一発で決める!」
俺は腰を落とし、岩と近接する。
基本は小さく前ならえ…。
全身を余すことなく使い、拳へと力をつぎ込む。
そう、この技の名は―――!!
「無拍子!!」
”ズガァンッ!”
かつてアイツが使っていた技。
しっかりと力が乗せられた俺の拳は、対象の岩を破壊することに成功した。
このクエストは欠けさせるだけでもクリアなのだが、破壊をしたのだ。
「ん、大満足」
一発で決められたこと。未だに技術が落ちてないことなど、色々なところから安心と満足感を覚えて呟く。
側に先程のじいさんが現れ、取り上げた装備を返してきた。
「これでお主は体術を納めた。
これから先、精進することを期待しているぞ」
その言葉と共に俺の顔の落書きは消え、じいさんは小屋へと戻っていく。
俺はその後ろ姿に思わず一例をして走り出した。
向かう先は町の近くにあるダンジョン。
そこでこの体術をコンプすれば、敵に与えるダメージも大幅に上がる。
「よっしゃあ!」
俺は敏捷値を最大に発揮しながら地下ダンジョンへと向かうのだった。
その頃――
「おいアルゴ!これはどう言うことだ!?」
「にゃはははは!似合ってるゾキー坊!」
先ほどまでケンがいた場所に、キリトとフードを被った女性プレイヤーがいた。
キリトは顔に落書きをされ、それを見て笑うフードの女性。
実はこの女性こそがこのクエストを断念したプレイヤーなのだ。
その証拠にその顔には量頬に三本の線が書いてある。
このアルゴはその事もちなんで<鼠のアルゴ>と言わ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ