コヨミフェイル
007
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うな!」
それはそれとして、僕の周りは聡い人が多くて助かる。朱に交われば赤くなると言うが、僕はその限りでないようだ。
半ば吸血鬼だしな。
「ああ、その通りだ。みんな察しが良くて助かる」
……困ることもしばしばだが。
「やはりそうだったか。私の勘も捨てたものではないようだ。ふふっ、ついに阿良々木先輩の妹の処女をもらう日が来たのだな」
「だからやらねえよっ!」
てめえの勘も倫理観も捨てたものだよ!!
「何っ!?違うのかっ!!」
なんで本気で驚いてんだ!!
「なんということだ。これほどまでに期待をさせておいて、梯を外すかの如く裏切られるなんて……。どうせ胸を期待で膨らませて喜んでいる私を嘲笑の笑みとともに想像していたのだろう。その姿が目に浮かぶようだ。……だがしかし、そんな境遇に置かれながらもぞくぞくしている自分がいることを否定できない………………はっ!もしや、私は真正なる変態かっ!?」
「初期設定を忘れるな!!」
さっきまで先輩の妹の処女をもらうとかどうとか言ってた奴がどうして真正なる変態の称号を回避できるんだ!!
それといつ僕がお前をそこまで期待させることを言ったんだ!それとも、あの一、二回のやり取りでそこまで期待を膨らませたのなら早合点にもほどがあるだろ!!
「初期設定などただ人を束縛する目に見えない鎖だ、阿良々木先輩」
「こういうことを言っていればただの変なことを言う男勝りな女子なんだけどなあ!」
「私の場合、縄だがな。ふふっ」
「…………」
やはり神原はただの変なことを言う男勝りな女子という薄っぺらな器に収まるお方ではないようだ。
「それはさておき、阿良々木先輩、実はというと火憐ちゃんの愛人が家族揃って行方不明であるというニュースを小股に挟んで、すぐに火憐ちゃんは闇雲な捜索をしているのではないかと薄々感じていたのだ」
……『小股に挟む』はスルー。
この町の伝達速度早いなあ。流石だなあ、田舎力。
というか、知っていたのかよ。
何だった、この長い前置きは?
まあ、楽しいからいいのだが……。
「そこまで知っているのなら話は早い。というか、よくあいつに彼氏がいることまで知っているな」
「火憐ちゃんとデートしているときに彼氏のことを聞かされたからな」
……『デート』もスルー。
「そうか。なら、僕の頼み事はおおよそ予想付くと思うが、敢えて、もとい保険で言わせてもらうが、僕のでっかい方の妹を見付けたらどこにも、特に自分の家に寄り道せずに僕の家に連行してくれ」
「わかった。阿良々木先輩の仰せの通りに」
どこか声音に残り惜しい感が滲み出ていた。
「すまないな、神原」
「いまさら何を言う。阿良々木先輩にはどれほど報いても足りないほどの恩義があるのだ
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