神風と流星
Chapter1:始まりの風
Data.14 糾弾
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な……」「何でだ……?攻略本に書いてなかったのに……?」
……これは若干、マズイな。まあ、困るのはキリトだから俺には関係な――――
「そこのあんたもだ!なんで……なんで!」
「え、俺?」
いきなり怒鳴られた俺は驚く。え?これってキリトの問題じゃねえの?
「あんただってボスの使う技を知ってたじゃないか!」
「あ、あー……」
そういえば俺も指示出してたなあ。キリトの頼みで。
先程より更に多く、明確な疑問の声がそこら中で上がる。その疑問に答えたのは、キバオウ率いるE隊のメンバーの一人だった。
「オレ……オレ知ってる!!こいつは、元βテスターだ!!だから、ボスの攻撃パターンとか、旨いクエとか狩場とか、全部知ってるんだ!!知ってて隠してるんだ!!」
この糾弾を聞いて俺はまず、意外だな、と思った。
こういうことはキバオウが言いそうなのに、奴は厳しい顔で口を閉じたまま黙っている。
次にシミター使い達の方を見てみると、こちらは予想通りのリアクション。驚きの様子はなく、ただただ憎悪を増した瞳でキリト(と俺)を睨みつけている。
そいつらが再度何かを叫ぼうとした時、エギルと共に壁役を務めてくれた奴らのうちの一人が言った。
「でもさ、昨日配布された攻略本に、ボスの攻略パターンはβテスト時代の情報だ、って書いてあったろ?彼が本当に元テスターなら、むしろ知識はあの攻略本と同じなんじゃないのか?」
「そ、それは……」
押し黙るE隊メンバーに代わり、シミター使いが憎しみのこもった口調で答える。
「あの攻略本が、ウソだったんだ。アルゴって情報屋がウソを売りつけたんだ。あいつだって元βテスターなんだから、タダで本当のことなんて教えるわけなかったんだ」
……参った。これは本格的にやばい。
キリトが、百歩譲ってそれに俺をプラスした二名が糾弾され、裁かれるのはいい。だが、このままだと元βテスターが『制裁』の対象となる恐れがある。
そうなったら終わりだ。一般プレイヤー達による大規模な元テスター狩り――――古代の魔女狩りのようなものが行われるだろう。それだけじゃない。元テスターと勘違いされた一般プレイヤーも被害にあう可能性が高い。例えば、『全員が動けない中、たった一人でボスに攻撃して活路を開いた、元βテスターの連れ』とかが。
さて、どうしたものか。
キリトにアイコンタクトで尋ねるが、真剣に考え込んでるようで反応がない。というわけで俺も個人で打開策を考えなければならない。面倒くせえ。
数秒考えてみるが特に思いつかなかったので、もういっそあいつら殲滅するか、と末期的な考えに至ったとき――――
「……ルリ」
――――肝心な時に活躍
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