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101番目の舶ィ語
第十話。因果と縁
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らたまらないじゃないですか。こう、ボスを雑魚のように嬲り殺すみたいな」

「君は本当にドSだね」

「ありがとうございます」

「褒め言葉かな、今の」

「いずれ貴方も好きになりますって。責められるの」

「……君が断言すると本当になりそうで嫌だな」

「ふふふ……」

「うわぁ……」

「ま、ゲームトークはここまでにして、貴方のコードを探してみましょうか」

「俺の手伝いでいいのか?」

「ええ。コード探しに大変向いてる『主人公』ですからね。色々なロアに関わって行くうちに『ロア喰い』とも遭遇するでしょうし」

「確かにね……ちなみに一之江のロアだと、コードってどのくらい見つかるものなんだい?」

俺は『百物語の主人公』だから、残り九十九個と巡り遭う可能性が高いというのは解る。
だけど普通のハーフロアである一之江はどんなもんなんだろうか。

「超毎日街中を調べて、良くて一週間に1個。悪ければずっと見つかりませんね」

「……そんなにレアなのか」

「若者の人形離れが目立ちますからね」

「そんなレアなロアといきなり遭遇しちゃたのか、俺は」

「ええ。運の悪い事に私は女たらしの男と出会ってしまったわけです。
ですから今度からは慎重に襲わないといけませんね。いきなり抱きつかれますし」

「それは誤解だよ、瑞江」

「何が誤解ですか。あと名前で呼びましたね」

「君だから抱きつきたいと思ったんだ。
君を俺の物語にしたいと思ったから抱きついたんだよ」

「……貴方は真性の馬鹿ですね」

そう言って、頬を赤く染めて呟く一之江の姿はとても可愛いかったが、一之江が抱きつき行為(アレ)をとことん根に持った事はよく解った。
しかし、そんなレアなロアの一之江といきなり『縁』を結べたという事を考えると、確かに俺は『特別』なのかもしれないな。
『主人公補正』というのは便利だな。

「さて、与太話はここまでにして貴方と『縁がありそうな』コードを調べるとしましょう。
……夜坂学園に『花子さん』の噂はないですか?」

「『花子さん』?ああ、学校の怪談の?えーと……あったけなあー」

記憶にある『花子さん』の噂について記憶を探ると______あった。

「中学時代はあったよ」

一文字疾風が通っていた中学の部室棟……旧校舎に纏わる噂を思い出した。

「どこですか、その中学は」

「俺の家とこの学校の中間だよ」

「ではそちらに向かいましょう」

俺と一之江は、『花子さん』の噂がある俺の出身中学校に向かって歩き始めた。
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