第十話。因果と縁
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しばらく首を傾げていた一之江だが、流石にヒステリアモードの事は解らないみたいで「後ほど無理矢理でも口を割らせて聞き出すとして」と前置きしてから発言した。
「ではそろそろ学校に向かいましょうか」
「今から行くのか?」
「ええ。サボタージュしてもよいのですが『魔女』の情報を得るいい機会ですので遅れてでも行った方がいいかなと思いまして」
「今から行ったら目立たないか?」
「目立ちますね」
「だろう?
だから今日はもう帰ろうぜ」
「まあ、貴方はいつからそんな不良少年みたいになったんですか。不審者として通報しますよ」
「誰が不審者だ!」
「昨夜、私に抱きついた変態はどなたでしたっけ?」
「……昨日は本当悪かった」
ヒステリアモード時にやらかした行為を容赦なく抉ってくる辺り、本当一之江はドSだな。
「そろそろ夜霞に入りますのでこっから先はロア関連の話題は極力避けてください。
『魔女』に色々知られると厄介ですので」
一之江の言葉通り、俺と一之江を乗せた車は先ほど通った『境川』の橋を渡って『夜霞』市内に入った。
「そう言えば貴方はクラスメイトや仁藤キリカから『モンジ』と呼ばれてますが何か由来とかあるのですか?」
大通りを車が走る中、突然、一之江がそんな質問をしてきた。
「あるちゃあるが……大した由来じゃないぞ?」
「後学の為にも知りたいですね、是非」
話すまで逃がさねえぞ!
と言う感じのニュアンスで言ってきたので仕方なく話す事にした。
「本当、大した事じゃないんだが……一文字をカタカナにしてみろ」
「イチモンジ……ああ、成る程。
安直ですね」
駅名を偽名に使ってるお前が言うな、と思ったが口には出さないでおく。
「成る程……なら私もモンジと呼ばせていただきますね。
よろしくお願いします。モンジ」
「普通に名前で呼べよ!」
「嫌ですよ。
モンジはモンジで十分です。
いい響きじゃないですか。電子レンジみたいで手早く簡単に調理できそうで」
「殺る気か??」
手早く簡単に調理できるとか、一之江が言うと冗談に聞こえねえ。
「ええ。殺られたくなったらいつでも電話をかけてあげますから是非出て振り向いてくださいね」
「誰がするか??」
そんなやり取りをしていると車は夜坂を上って『夜坂学園』の校門前に着いた。
車の中で座っていた俺だが流石に疲れたので一之江よりも先に降りた。
一之江が車から降りようとした時に______それは起きた。
新緑の季節とあって、暖かい日差しが照らす中、突如強風が吹き上げた。座席から降りた一之江の制服のスカートがめくれ、たまたま一之江より先に降りていた俺はそのスカートの中をバッチ
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