暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第11話?終わりとそれから
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、コウの借りている部屋の前に着く。
?荒くなった息をしながら、コウの部屋のドアを勢いよく開けた。幸いというべきか、ドアは初期設定のままでフレンドの僕も開けることができた。
?部屋のなかには誰もおらず、部屋の窓は空いていて、そこから吹く風が薄い青色をしたカーテンをなびかせていた。

「くそっ……!」

?毒づきながら、コウと連絡を取るべく素早くメインメニュー・ウインドウからフレンドリストを表示させる。
?だが、そこには『カイ』という名前しかなく、目的の『コウ』という名前はなかった――。
?フレンドリストから名前が消える理由は、ひとつしかない。コウ、もしくは僕が己の手でフレンドリストを解除したのだ。もし、死んでいる場合は名前の色がグレーになるので、名前ごと消えている今回は当てはまらない。

「用意周到過ぎるよ……」

?――――コウ。
?心の中で名前を呟きながら、僕は崩れ落ちたい衝動に駆られる。下を向いてそれを必死に抑え、コウに気づいてやれなかった自分に憤慨を覚えてるいると…………

「……やっぱいなかったか……」

?後ろからカイの声がした。その声はいつものトーンだったが、敢えてその声を出しているように思えた。
?カイは俺の隣に立ち、辺りを見渡す。そして、頭をガシガシかきながら大きくため息。

「ったく、一言でいいから相談しろよな。何年の付き合いだと思ってんだ。あいつ、そういうところ抜けてんだよな」

?全く以て同感だった。カイの言葉はまだ続く。

「まあ、今ごろ気づいた俺も俺だけどよ、ホンットにさぁ……あ〜〜〜〜っ!?ムカつく!!」

?ドン!?とカイが壁を殴る。
?が、紫のウインドウが壁の少し前で出てきて拳を阻んだ。
?それからカイはコウのいた部屋からでて入り口の前に立つ。僕と背中を向けあう形になる。

「今度会ったら、一発ぶん殴ろ。――で、どうする??ユウ。お前はこれからどうすんだ」

?その言葉に顔を上げてからカイの後ろ姿に問いかける。

「そう言うお前はどうするのさ」
「さっき言ったろ、俺はソロで活動したいって。コウもいない今、もう俺たちは自立すべきなんだよ。今までみたいにずっと助け合っていってたんじゃあ、いざって時に何もできなくなっちまう。それに……」
「それに?」

?カイが僕の方を見て、ニヤッと笑う。

「ゲームって元々一人でするもんだろ。協力プレイはたまにやるぐらいでちょうどいんだよ」


◇◇◆


?敏捷力を上げておいて助かった……。
?心の底からそう思った。借りる予定だった一階の部屋がまさか全部もう使われていたとは。おかげで二階にある部屋を借りることになってしまった。窓がある部屋を借りれたことが不幸中の幸いか。窓から飛び降りるのはすごく度胸のい
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