暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第11話?終わりとそれから
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らす。
?コウは直接自分の口から話しはしなかったが、理由はもう僕もカイも察している――僕たち二人が死なないようにだ。そして、これはあくまで僕の推測だけど、おそらくコウは僕とカイをいざというときに守るため、常に自分の近くに置いておきたかったんだろう。
?僕はコウが寝ている部屋がある二階に繋がる階段を一目見たあと、目を逸らしているカイに目を向ける。

「ソロになったら死ぬ確率が上がるってもう知ってるだろ。お前、今までコウが頑張ってきた苦労を全部潰す気か?」
「……じゃあ、聞くけどさ、なんでコウはもっと俺たちを見守るため――言葉悪く言うなら俺たちを監視するため、パーティーを組まなかったんだ??もっと言うなら、ボス戦の時に組んだパーティーも、もう俺たち解除してるだろ」
「………………それは……」

?今度は僕が目を逸らす番だった。
?言われてみればなんでコウはパーティーを組まなかったんだ……?
?パーティーを組めばパーティーメンバーのHPゲージを見ることができるし、名前などのちょっとした情報ならば確認することができる。もっと僕らに目を利かせたかったら、最初からパーティーを組めばよかったはずだ。なのに、しなかった。あのコウが忘れてたという可能性は低い、と思う。

「……ボス戦のパーティーを解除したのは、カグヤがいたからだろ。僕たち二人だけならともかく、カグヤまで巻き込むわけにはいかないと思うのは当たり前だよ」
「じゃあ、なんで俺たちがはじまりの街を出るときに俺たちだけでパーティーを組まなかったんだ?」
「…………わかんない」
「なら質問を変えるぞ。どうしてコウは俺たちとパーティーを組むことを避けたんだ?」
「………………」

?もう言葉すら出なかった。
?僕の沈黙を判らないと取ったのであろうカイはなにかに耐えるように目を少しだけ細める。そのカイらしくない顔に答えのような何かの端を掴んだような感覚がした。

「なあ、ユウ……これから俺が話す推測はあまり当たって欲しくないんだが……」
「………………なに?」
「βテスターが非難されるようになるってのは攻略会議の時から何となくわかったろ?」
「……うん」

?できたら気づきたくなかったし、解りたくなかった。キバオウみたいな人が早く心変わりしてくれることを願うが、おそらくそれは無理なのだろう。

「多分だけどさ、コウはこうなること解ってたって思うんだ。あいつ、頭良いからさ。だから、もしかしたら――」


?――――いざという時すぐソロになれるようにじゃねーのかな……。


?僕はその言葉を聞いて、たまっている疲労が吹き飛んだ。そしてカイのことなど置いてコウのいるはずの部屋に駆ける。走っている途中に人がいるテーブルにぶつかって文句を言われるが、そんなの目もくれず
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