暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第11話?終わりとそれから
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僕をじっと無表情でカイは見ている。

「はい、百コル」
「ブーーーーッ!!」

?口に含んだ紅茶もどきを勢いよく吹き出す。僕の突然のおかしなアクションにウェイトレスの姿をしたNPCが僕の元へ来る。それをむせるのを我慢しながら「大丈夫です」と断ってから、我慢を解いて勢いよく咳き込み始める。そんな僕を見てカイが腹を抱えてゲラゲラと大笑いしていた。涙目で周りを見渡すと、ロビーにいる人全員が目を見開いてこっちを見ていた。
?……こんにゃろう。しかも、無表情で手を出しながら言いやがって。絶対に返さないからな。お前の勝手な配慮だろ。
?なおもカイは笑いながら目尻の涙を指で取りながら、

「いや〜マジで面白いわ〜。あ、金いらないから。それは俺からの最大限のおもてなしだ」
「…………もう僕……帰るぞ……」

?こんだけ恥かかせられてコイツの頼みなど聞いてやる筋合いはない。さっさと戻って寝よ。
?僕が席を立とうとすると、慌てた素振りで僕の腕を握り、早い口調で言葉を捲し立てる。

「わ、悪かったって!?頼む!?見逃してくれ、この通り!?何でもおごるから!」
「…………次はないからな!」

?まだ涙目になっていながらそう訴えて、席に座る。おごると言われてもここのご飯は正直あまり好きではないので、この紅茶だけで勘弁してやる。感謝するんだな。

「で、もうなに?」

?三度目の同じ問いにカイは今回は本気らしく、真剣な顔になる。まだ少し高ぶっている心を落ち着けるため、ゆっくりと紅茶を飲む。あちっ……もうちょっと温くしていいのに……。

「俺らの今後のことについてだ」
「……今後??どういうこと?」

?これからも三人で一緒に行動、ていうスタイルで行くんじゃないの?

「いや、そろそろこのゲームに慣れてきたじゃんか」
「まあ……確かに一ヶ月ぐらい経ったし、慣れてきたと言えば慣れてきた、のかな……」

?最初はかなり手間取っていたモンスターとの戦闘も今ではなんとかなってきてるし。

「だろ??だからさ、なんつーか、その……」
「なに?」
「いやー、これを言ったらお前が怒りそうと言うか……」
「じれったいなあ、とりあえず言ってみてよ」

?僕は思わず眉を潜めて続きを促す。
?めずらしくカイなのに歯切れが悪い。僕が怒りそうなことって……何を言うつもりだ?

「…………ソロで活動してみたいなーって」
「却下。じゃあ、僕もう疲れたからお休み……」
「待った待った!?お願い、俺の気持ちを聞いてくれ!」
「こればっかりはお前の気持ちを聞いたって曲げるつもりはないよ。カイ、お前コウがなんで僕たちが一緒に行動することにしたのか知らないわけじゃないだろ?」
「……当たり前だろ」

?カイは気まずそうに僕から目を逸
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