暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第11話?終わりとそれから
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れすごいな……」

?思わず声を漏らしながら、スクロールしていた指を止める。普段ならもっとリアクションが大きいだろうが、今は自分一人だし疲れているから仕方ない。
?黒コボルドからドロップしたアイテムのひとつ。
武器カテゴリー曲刀、名称《メタルエッジ・ブラッカー》。
?付加されている能力上昇効果も今まで見たことがないほど大きく、筋力値、敏捷値がともに15近く上昇し、《強化試行上限数》がなんと九回。
?強化試行上限数とは、鍛冶屋で強化することができる武器の鋭さ、正確さ、などの五つのどれかを鍛えられる回数のことだ。成功または失敗しても一としてカウントされる。だから極端な話、今僕がメインの武器としているアイアンエッジ(強化試行上限数は四回)を四回全部失敗したとしたら、もうこの武器は一回も強化することができない。
?そして、それらよりも驚くべきは攻撃力だ。僕が知っているなかで一番高い攻撃力を持っているのは今装備しているアイアンエッジなのだが、この武器はそれよりも高い。
?――ボス戦前に武器変えたのにもう変更か……。
?しかも、数個買っちゃってるし……などと少しだけ不満を漏らしながらも内心は嬉しさの方が大きい。そりゃ少しだけ寂しさもあるが、それよりも強い武器が手に入ったという喜びが大半を占めている。これで今までよりもグッと冒険しやすくなったはずだ。

「……ついでにどんな形してるのか見てみよ」

?体をゆっくりと起こし、ウインドウを操作してメタルエッジを装備する。すると、手の中にシュバッと音をたてて名前の通り柄から反った刀身まで真っ黒な曲刀が現れた。武器の柄をグッと握った瞬間、ずしり、としっかりとした……なんならしっかりし過ぎた重量を実感する。

「……少し重い……かな」

?軽く腕だけで武器を振り回してみるが、少しだけ自分にとって思いせいかワンテンポ遅れている気がする。
?ベッドから出てそのとなりにある少し動けるほどあるスペースに立ち、武器を構える。疲れているというのにこの動作だけは自然だった。もう体に染み付いてしまっている。
?そして、今度は体を使って数回武器を振ってみる。フォンフォン、と空気を斬る音が耳に入った。
?――やはり、重い。もう少し筋力値が上がってからでないとアイアンエッジのように扱うのは難しそうだ。まあ、この少し重みのある感覚も嫌いではないが。

「さて、確認もしたしもう寝よ」

?少し軽く運動もしたし、いい感じに眠れそうだ。
?そう思って大きなあくびをひとつした後、ベッドに再度入り、布団を被ろうとした瞬間、いきなり僕の部屋のドアが開いた――ドアを開けた犯人は僕のとなりの部屋を借りている人だった。

「……カイ、僕もう寝たいんだけど」
「なら、ちょうどよかった。寝る前にちょっと相談、というか話があ
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