第4話 Pandora Mode 2
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魔だって、言うんだ。
「俺は、ただ、皆んなと遊びたいだけなのに、力が強すぎて、それで、みんなを泣かせちゃうんだ…
「だから、暴れてたら、もうみんな近づいてこないから……
「そうすれば、だれも、傷つかないですむから……」
話していくうちに、ああ、俺はそんな風に考えてたんだと、自分で納得していった。
「そう…貴方は優しい子なのね……」
カズハが、ハンカチを結び、止血を終えた。
そして、優しく両手で俺の顔を包んだ。
「でもね、それは周りの人たちも困るし、貴方自身を傷つけることなのよ。」
その言葉は、当時の俺には優しすぎた。
だから、涙を堪えられなかったのだ。
「う…うわぁぁぁぁん??」
「ハイハイ。泣かないの。男の子でしょ?」
抱きしめられ、撫でられる。どちらも生まれて初めての事だった。
そして、これから先の俺の人生を決める言葉が、カズハの口から紡がれる。
「もう、そんな悲しい力なら、捨てちゃいなさい。
「これからは、誰かを傷つける為じゃなくて
「自分を傷つける為じゃなくて
「誰かの命を、未来を守るために、
「その力を使いなさい。」
だから、俺は戦う。
カズハの言った生き方を貫く為に。
彼女自身が、そうであったように。
カズハのように。
カズハの義弟として相応しいように。
俺は強くなる。
*****************
白銀の長剣、グラディウスを右手に持ち、その刃を左手のこうでなぞる。
カズハに習った、数少ない武芸の構え。
ジリジリと、先輩は距離を取ろうとするが、そんなものは許さない。
「ハッ??」
気合の声と共に、脚に力を込めて走り始める。先ほどまで立っていた場所には、今の衝撃で、クレーターが出来ていた。
「ゼァッ??」
右腕一本での、袈裟斬り。
鎖で右側に弾かれるが、それだけでは終わらない。
弾かれた剣に、左手を添え、横に一回転。その力を乗せたまま、斬りつける!
ズドンッ、と、鈍い音がしガネッサ先輩がよろける。それに追い打ちをかけるように…いや、実際に追い打ちだろう……
剣を上段から振り下ろす!
今度はよろけるだけでは止まらず、その場に倒れる。パンドラモードによる仮面にも、ヒビが入り、片目が露出した。
「くっ、こんの??」
鎖が襲いかかり、俺はそれを弾きながら距離を詰める。
先輩は、鎖を纏めて、より強力な物にして対抗してくる。
一合、二合と打ち合っていく。その間に、俺の剣は何度か先輩の鎧に攻撃を滑り込ませ、鎧を剥いで行った。
下段に構えた剣を振り上げ、鎖を撥ね上げる。その隙に右肩から斜めに切り裂く。
「ガァ??」
対して、先輩の鎖は、大ぶりになってしまっ
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