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バニーガール
第三章
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それを言うと反論のしようがなかった。
「ああいう店があったらいいって思うからあるんだろ?」
「そうなるな」
「そういうことだ。それでわかるな」
「わかったよ。じゃあバニーガールもか」
「そういうことだ。これでわかったな」
「わかったよ。じゃあ皆バニーガールが好きなんだな」
「嫌いな奴がいるか?」
 全く以って身も蓋もない言葉であった。
「バニーガールが」
「いないと思うな」
 これには彼も反論のしようがなかった。
「男のロマンだしな」
「体操服にセーラー、スクール水着、メイド、ナース、スチュワーデス、そしてこのバニー」
 相手の男は実にマニアックであった。
「巫女もか。とにかくそれ等は全部男のロマンだ」
「ロマンになるんだな」
「そうさ。バニーガールに御主人様って言われるのは最高だぞ」
「御前もかなりえらい趣味しているな」 
 彼は思わず相手に突っ込みを入れた。
「マニアだろ」
「男は全員マニアだ。御前もだからここに来たんだろう?」
「御前に誘われたからだ」
 彼は憮然とした声で言葉を返す。
「それにしても。ここの店の客は」
「どうかしたか?」
「どいつもこいつも鼻の下を伸ばしているな」
 周りの客達を見て言う。それは言っても仕方ないことであるが。
「そんなにバニーガールがいいのか」
「メイド喫茶でもそうだぞ」
 相手の男はここでも容赦のない言葉であった。
「デレデレとした顔をしているだろ」
「そういえばそうか。どうなっているんだ」
「だから男だからだ」
 一言だがそれが実に哲学的な響きを持った言葉になっていた。
「それで充分じゃないか。ほら」
 ここでバニーガールの姿を見たので彼に声をかけた。
「来たぞ、お目当てが」
「お目当てって何なんだ」
「何だって言われてもな。一つしかないだろ」
 相手の男の言葉は感情の響きすら乏しいものであった。
「バニーガールだ」
「だな。じゃあ見てみるか」
「ただ。一つだけ注意しておけよ」
 また一つだけという言葉が出た。しかし今度は意味が違っていた。
「何だよ」
「絶対にセクハラはするなよ」
 今までとはうって変わって真剣な顔で彼に対して言うのであった。
「したらすぐに袋にされて警察に突き出されるぞ」
「そこは厳しいんだな」
「当然だろ、風俗じゃないんだこの店は」
 風俗であればそういうことはある程度以上は許されるということであった。しかしあくまで風俗ではない。ここが非常に重要なのであった。
「そこだけは違うからな」
「そんなことするか」
 彼は口を尖らせてその言葉には抗議する。
「何処ぞの変態親父じゃあるまいしな」
「しかしそれも男のロマンでもある」
 相手は不敵に笑ってそれも肯定するのであった。
「バニーガ
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