第3部 始祖の祈祷書
第4章 三つ巴の探り合い
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「私がウルキオラだったら確実にあなたを殺してるわ。無能な主人ほどいらないものはないもの」
ルイズは何も言えなかった。
「使い魔はメイジにとってパートナーよ。それを大事にできないあなたは、メイジ失格ね。まあ、ゼロだから仕方ないのかもね」
キュルケはそう言って去って行った。
ルイズは悔しくて、切なくて、申し訳なくて、ベッドに潜り込んだ。
そして、幼い頃のように、蹲って泣いた。
ウルキオラは呆れていた。
ギーシュに相談したところ、初めのうちは、女心が分かっていないとか言ってきた。
そこには、少し感心した。
心にも色々あるのだ、と改めて気づかされた。
しかし、話が進むにつれ、だんだんと脱線してきた。
「僕はねー、モンモランシーにだって、あのケティーにだって何もしてないんだ。ケティは手を握っただけだし、モンモランシーだって、軽くキスしただけさ!それなのに……、それなのに……、僕はねー!」
「はぁ…」
ウルキオラは思わずため息をついた。
こんなやつを頼った俺が馬鹿だった、と思っている。
ギーシュはワインをラッパ飲みした。
さめざめと泣いていた。
酔うと泣くタイプらしい。
「おんにゃはばか!」
ウルキオラはそんなギーシュを無視した。
そして、誰かが木の陰に居ることに気付いた。
「誰だ?」
木の陰から、人影がぬっと出て来た。
「キュルケか…どうした?」
キュルケは、微笑を浮かべて言った。
「楽しそうね。私も交ぜてくれない?」
「楽しそうだと思うなら変わってくれ」
ウルキオラはそう言って、席を立った。
ギーシュはこれ以上ないというほど酔っていて、振り向いてキュルケの姿を見ると、立ち上がり、キュルケに向き直った。
「そのでっかいおっぱい、見せてくれたら、入れてあげてもよい」
ギーシュはだっはっは!と笑いながら、腰に手を当てた。
ウルキオラはギーシュに向かって拳に軽く霊圧を溜め、虚弾を放った。
キュルケも返事をする代わりに、杖を引き抜き、呪文を詠唱した。
「酔いはさめて?」
「酔いはさめたか?」
キュルケとウルキオラがそう言うと、ギーシュは正座して頷いた。
周りの服は焼け焦げている。
火と衝撃で酔いを覚ます羽目になるとは思わなかった。
「じゃあさっさと出かける用意して」
ギーシュは首を傾げた。
「出かける用意?」
「そうよ。ねえウルキオラ」
キュルケは、ダーリンと呼ばずに、名前を呼んだ。
「なんだ?」
「あなた、一生こんなところで紅茶飲んでる気?」
「今夜、出て行こうと思っていたところだ。まあ、帰
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