第十一幕その六
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「君達ともね」
「確かね」
カルロスはこうボタン=ブライトに答えます。
「あったよ」
「そうだったよね、まあとにかくね」
ここでベッドから身体を起こして言うボタン=ブライトでした。
「とても美味しそうな匂いがするね」
「これだけれど」
ドロシーがここで言いました。
「お菓子とジュースね」
「あっ、これね」
ここで、でした。ボタン=ブライトはです。
自分の枕元のお菓子の山とジュースに気付きました。ドロシーは彼がその二つに気付いたのを見て微笑んでこう言いました。
「食べていいわよ」
「いいの?」
「ええ、好きなだけね」
こう言ったのでした。
「貴方が食べたいだけ」
「本当に?」
「私は嘘は言わないでしょ」
「うん、ないよ」
このことはボタン=ブライトも知っています。ドロシーは決して嘘を言うことはありません、そうしたことはしないのです。
「一度もなかったよ」
「そうでしょ、だからね」
「食べていいんだ」
「全部ね」
「このお菓子を全部」
「そう、いいわよ」
またボタン=ブライトに言います。
「遠慮しなくていいから」
「じゃあ喜んで」
「ただね」
ボタン=ブライトが食べようとする前にでした、ドロシーは彼にこうも言いました。
「その前にね」
「食べる前に?」
「貴方今とても元気よね」
「うん、そうだよ」
ボタン=ブライトも嘘を言いません、ドロシーにとても明るい声で答えます。
「この通りね」
「そうね、だったらね」
それならというのでした。
「ここから出てね」
「ベッドから出て」
そしてというのです。
「テーブルに座って食べましょう」
「そうだね、ベッドで食べたらね」
「ベッドを汚すこともあるから」
「それにベッドの上に食べカスがこぼれて」
「よくないから」
こうした事情からだというのでした。
「だからいいわね」
「うん、それじゃあね」
「お菓子とジュースを持って」
そうして、でした。
「行きましょう」
「そうしよう、ただ」
「ただ?」
「僕はお菓子とジュースをたっぷり食べられるけれど」
それでもだということは。
「皆はどうなの?」
「私達の分もあるから」
「そこの皆の分もなの」
ボタン=ブライトは恵梨香達も見て言いました。
「あるの?」
「ええ、あるわよ」
ドロシーはにこりと笑って答えました。
「ちゃんとね」
「そうなんだ」
「だから皆で食べられるわよ」
このことも本当のことです、お菓子もジュースもたっぷりとあります。それでドロシーもボタン=ブライトに答えるのです。
「貴方とね」
「じゃあテーブルに行って」
「この大学の食堂でね」
「大学?」
「ここは王立大学なのだよ」
教授が場所に
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