Interview6 End meets Start U
「所詮は刀のくせに」
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イリスは歩く殺戮兵器と化したエリーゼの後ろに付いて、施設を進んで行った。
途上のアルクノアとやらの掃討は手間だと思っていたので、エリーゼが奮闘してくれてありがたい。
「イリス。エリーゼ、なんかこわい」
「ナァ〜…」
エルは黴だらけの軍服の裾を握って付いて来ている。エルの傍らをさらに恰幅のいい白黒猫が付いて来る。
手は繋げない。繋いだらエルの玉の肌を爛れさせてしまう。
「確かにエルには恐ろしいかもね。でも今止めたらきっとエルとイリスが潰されてしまうわ」
「そうかも、だけど」
「安心して。これが終わったら止めるから」
「エリーゼ、ちゃんと元にもどる?」
「ええ。もちろん」
ここは分史世界。正史世界に戻れば、エリーゼが想う男はちゃんと生きている。男の死はいずれただの悪夢として心の底に沈み、エリーゼはたおやかな少女に戻る。エリーゼが夢から覚めるまでは、露払いの役に立ってもらおう。
ついに彼女たちが屋上へ踏み入った時、屋上には先客がいた。
イリスは一瞬息を呑んだが、奥歯を割らんばかりに噛みしめて動揺を封殺した。
その先客が、当代において「ミュゼ」という名を冠した、「マクスウェルの次元刀」のヒト型の器ということは分かっていた。
イリスはエリーゼをふり返り、しゃがんでエリーゼの耳に口を寄せた。
「ここまででいいわ。お疲れ様」
イリスが囁くと、エリーゼは糸の切れた人形のように崩れ落ち、倒れた。ティポも白目を剥いて地面に落ちた。
「エリーゼ!?」
「エル、彼女をお願い」
エリーゼに駆け寄ったエルたちを守るコードの「壁」を展開してから、前に出てミュゼと対峙した。
「よくもまあクラン=セミラミスの女主人のご尊顔を被って地上に降りれたものね、次元刀。恥を知らないのかしら」
「――ミュゼよ」
イリスは俯き、こっそりと拳を固めた。
(ミュゼ様のご尊顔をして「らしく」しても、所詮は刀のくせに)
「お前は『何』? 精霊にも見えるけれど、精霊はそんな邪気は放たない。――私はジュードたちに会いに来たの。邪魔するなら薙ぎ倒すわよ」
「表現が不適切ね。正確には『斬り倒す』でしょう。お前は刀なのだから」
通常の骸殻能力者のものとは異なる骸殻――変異骸殻を纏い、コネクターを無数に巡らせる。
翠眼は好戦的に爛々と輝き、口の端は限界まで吊り上がった。
「錆びて腐って爛れて――死ね」
…………
……
…
エリーゼの傍らでただ座り込んでいたエルの前で、ばらりとコードの「壁」がほどけて落ちた。
「壁」の向こうに立っていたのは、列車の時のように紫紺のアーマードスーツをまとったイリス。イリスの手には、小さな白金の
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