Interview6 End meets Start U
「一緒なら何もこわくないね」
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
そこで不意に銃器が連射された音がした。アルクノアの兵士がこちらに機関銃を撃ったのだ。
エリーゼは精霊術での防御を図るが、詠唱より銃弾が速い。
すると、イリスが何の気負いもなく、掌を弾幕に向けた。
地面を突き破って何十本もの細いコードやケーブルが生えた。コードは幾重にも交差して「網」を形成した。虫取り網ほどに精細な目のクロスステッチ。それを重ねて網は面に、面は壁となり、銃弾をことごとく跳ね返したのだ。
「すごい……」『アンビリーバボー!!』
先刻もこうして助けてくれたのか。一年前の旅で多くの強敵と対峙したエリーゼも、このような技巧は初めて見た。
だが、イリスの技はあくまで銃弾を防いだだけで、弾を放ったアルクノアを仕留めたわけではなかった。
「壁」がほどけてから、アルクノア兵が再び銃器を構え――
直後、彼らの背後から撃たれた銃弾によって、アルクノア兵は沈黙した。
「エリーゼッ!!」
「え、アルヴィン!? どうして」
エリーゼたちの二度目の窮地を救ったのは、去年、共に旅をした仲間、アルヴィンだった。今はエレンピオスのスーツに身を包んでいるが、エリーゼが彼を見間違うわけがない。
互いに駆け寄り合って、会話できる距離に立った。
「大丈夫かっ? ケガとかしてねえか?」
「は、はい。平気です。アルヴィンはどうしてここに?」『タイミングばっちしー?』
「前に使節団に選ばれたって手紙くれたろ。いっちょ驚かしてやろうと思って研究所に来たらドンパチやってたってわけ。慣れねえこともたまにはしてみるもんだ」
「わたしに会いに来た、んですか?」
「俺だって昔の仲間に会いたいと思うことくらいあるんだよ、お姫様」
アルヴィンがエリーゼのおでこを小突いた。懐かしく、暖かい。心の中から恐怖が消えていくのが分かった。
この混乱の中でアルヴィンに再会できた、ささやかな奇蹟。
『おっとこまえー。アルヴィンが一緒なら何もこわくないね♪』
「頼りにしてくれていいぜ」
「またすぐ調子に乗るんですから」『でも今日は許したげるー』
「姫君がご機嫌で何よりだ。――エリーゼ、精霊術のレベルは去年と同じか?」
「はい。ティポもいますから、前と変わらないと思ってくれていいです。アルヴィンのお手伝いもできますよ」
「……子どもに頼るのは気が引けるんだが。悪い、手伝ってくれ。正直この数は一人じゃキツイ」
「任せてください」『がんばっちゃうんだからなー!』
――そこからは快進撃だった。
エリーゼが大規模な闇の精霊術でアルクノア兵を一息に片付ける。討ち漏らしがあればアルヴィンが大剣か銃でフォローする。
「イリス、やることないね」
「全くだわ。せっかく無理を押して駆けつ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ