暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■インフィニティ・モーメント編 主人公:ミドリ■■
壊れた世界◆自己の非同一性
第五十六話 絶体絶命の時、重なる二人の想い
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で終われるのかって思ったら……でも、ここでなにもできずに死ぬ、ただ何の意味もなく死んでいくんだって思ったら本当に悲しくて……怖かったよぉ……」
 ミドリがシノンの肩に手を回すと、いつもなら拒絶するであろうシノンは、しかし今は逆にミドリにしがみついて泣きじゃくった。

 五分くらいたっただろうか。やっと落ち着いてきたシノンは、もう大丈夫と言うとミドリから離れた。
「ごめんなさい、急に泣いたりして」
「いや、それはいいんだ。とにかく無事でよかった」
「あと胸を貸してくれたのはいいけど頭なでるのは余計だった」
 ミドリはむっとして言った。
「悪かったな、次は頭ぐしゃぐしゃにしてやる」
「次なんてないわよ、次なんて」
 苦笑しながら立ち上がったシノンは、やはり心配そうに見ていたストレアやイワンに大丈夫と言って笑った。
「じゃあ次は私がシノンの頭なでる番ね! ほらシノン、頭かして」
「だから頭は余計だって言ってるの、ちょっとやめなさいよっ、やめっ」
「ほらほらー、おねえさんになでなでさせなさいー」
「やめっ、やめてったらああぁー。そこの二人、見てないで助けなさいってえええぇ」
 シノンがストレアに捕まって頭をなでなでされているのを、ミドリとイワンはほのぼのと見つめた。
「おー、一分も経たずに『次』が来るとは思わなかった」
「いやー和みますねー。私もストレアさんになでなでされたいものです」
「いやそれはどうなんだ……」
 イワンの発言に一歩引いたミドリだったが、その後イワンも、ついでにミドリもストレアになでなでされるはめになった。何故こうなった、とはミドリの談である。
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