第3部 始祖の祈祷書
第3章 始祖の祈祷書
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ルキオラの穴をまじまじと見つめている。
「ああ。頭の仮面もその名残だ」
「あ、これ被り物じゃなかったんですね!」
シエスタはウルキオラの頭の仮面を触りながら言った。
「触るな」
「ご、ごめんなさい」
シエスタは慌てて手をどけた。
それから、立ち上がり、持ってきたティーカップとカップをお盆に戻し、ウルキオラにペコリと頭を下げた。
「ありがとうございます。とても楽しかったです。ウルキオラさんのお話、素敵でしたわ」
シエスタは嬉しそうに言った。
「そうか」
シエスタはそれから、頬を染めて俯くと、はにかんだように指をいじり始めた。
「えっとね?お話はすごい素敵だけど、一番素敵なのは……」
「なんだ?」
ウルキオラは話以外に何かしたか?と思った。
「あなた、かも……」
「なに?」
シエスタは小走りで駆けて行った。
ウルキオラはシエスタの言っている意味が分からず、デルフに聞いた。
「どういう意味だ?」
「相棒は鈍感だね〜」
デルフはかちゃかちゃとウルキオラをからかうような言い方で言った。
紅茶を飲み終え、ルイズの部屋に戻ると、ルイズはベッドの上で何かやっていた。
ウルキオラの姿を見ると、慌ててそれを本で隠した。
始祖の祈祷書である。
なんだ?と思ったが、ルイズのことなのであまり気にしなかった。
隠すぐらいだから、聞いても教えてくれないだろう。
それよりウルキオラの頭の中は、さっきのシエスタの言葉でいっぱいだった。
意味が分からなかった。
デルフは知っているような口ぶりだったが、何度聞いてもにやにやしているだけで、答えなかった。
いくら考えてもわからないので、明日シエスタに頼むための洗濯物を洗濯籠に入れようとした。
しかし、部屋中見回しても、洗濯物はなかった。
「ルイズ、洗濯物はどうした?」
ウルキオラが尋ねると、ルイズは首を振った。
「もう、洗った」
「洗った、だと?」
ウルキオラは目を見開いた。
自分で洗濯物をするとは、頭でもおかしくなったか?と思った。
ウルキオラは少し恐怖した。
今までのルイズからは考えられない行為である。
頬も赤く、熱でもあるのかと思った。
ウルキオラが近づくと、ルイズはびくっ!と震えた。
そして、う〜〜〜〜、と唸った。
そんな嫌がるな、と思いながらウルキオラはルイズの額に手を置いた。
ルイズは体をこわばらせつつも、おとなしく目を瞑った。
やはり、体の調子でも悪いのかと、ウルキオラは思った。
「熱はないようだな」
ウルキオラがそう言って手を離すと、ルイズは何
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