二十五話 悪魔の少年
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
夜に向かって包丁を突き立てる白夜によって。
「…ボス…これもお前の策略か?」
狂夜の胸から血液が垂れた。
「…思考だ…白夜にお前を切らせた…あいつは、俺の支配が心の傷に…なっている…確実に操れるさ…」
狂夜は、胸から突き出た包丁の銀の刃を前方から引き抜いた。
ズブッと生々しい音がなる。
「…包丁ごときじゃ…俺の生命活動を止められる訳無いだろ…」
包丁で刺された肉体がもの凄い速さで神経と神経を繋ぎ会わせて肉体を癒す。
鬼隆は、ノーダメージの狂夜を睨む。
(化け物め…)
しかし狂夜は、気づいた。
…白夜以外に鬼隆を守ろうとする男がいたと。
狂夜は、後ろにジャンプしてその敵から身を避ける。
とある液体は、ボスを拐って地中に逃げた。
「…逃げられたか…」
狂夜は、舌打ちを漏らす。
その時白夜は、正気に目覚めて自分の腕を見る。
ドス黒い狂夜の血液、
白夜は、自分を忌ましめる。
「…神那は…ギリギリ生きていた…」
狂夜が突然白夜に語りかける
「…教えてくれたよ…そのイカれた研究所の位置を…」
「…」
「そして息を引き取る前になんて言ったと思う?」
「…」
白夜は、見逃さなかった。
少年の涙を…
「「情けないお姉ちゃんでごめんね…」だってよ…」
白夜が聞いたことの無い優しい『姉』の声が狂夜の言葉と同時に聞こえた。
「何であの人は、昔から…俺の言うことを聞いちゃくれねぇんだ…」
狂夜は、肩を震わせた。
――どうして俺に…『好きだ』って言わせてくれねぇんだよ…
狂夜はそれ以上、何も喋らなかった。
しかし白夜には、聞こえた…
少年の苦悩が…
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ