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東方喪戦苦【狂】
二十五話 悪魔の少年
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牙に噛み砕かれた。


怪物は、嬉々の表情を剥き出す。



そんな中、見ていた白夜と鬼隆は、動じなかった。


…いや、鬼隆は、動じたかもしれない。



狂夜を殺せなかったのだから。



狂夜は、少し前に幻影魔法を使っていた。

だから怪物は、狂夜と認識して噛み砕いた。



しかし鬼隆と白夜は、気づいていた、否、見ていた。


狂夜は、持ち前の速さで上に跳んでいた。


そして空中で留まって幻影が死ぬのを静かに見ていた。



「ふぅん、やっぱり知性は、無いようだな。」

そして怪物は、狂夜の罠に引っ掛かってしまった。


怪物の真下から表れた、いや、


這い出てきた夥しい数の鎖が怪物の身体を隙間なく拘束した。


《[GAッ!?]》

そして狂夜は、構えた。


――何に?
――最大の魔法を唱える為の構えに。


――どんな?
――全てを滅殺させる魔法に。



――…何の?

――全てを…











――消滅させる魔法を…





「『――最終兵器魔法…』」




狂夜の頭上に黒い粒子が集まり出す。


『「――()()()」』



狂夜の力が解放される。



『『「一分の一ッ!!」』』

狂夜の頭上に集まった、でかすぎる黒より黒い球体は、

鬼隆の造り出した亜空間を触れたところから消滅させて行った。


《[GAッ!?]》
知性の無くなったこの"液体"もわかったのだろう。


――(チェックメイト)だ。


滅鬼怒は、怪物と同時に亜空間をも全て消し去った。



ただ座りこむ鬼隆。

同じく呆然と見いる白夜。

――あのときの…ネクロを削り取った球体?

白夜の頭には、苦しむネクロが繊細に映し出された。


「一億分の一だ、あの時はな。」
狂夜が白夜の頭をポンと叩いた。


ネクロの時は、リンゴと同じ質量だった。


鬼隆もこの技は、言われていた。


しかし、いくらなんでも…


――滅茶苦茶過ぎるだろ!?

リンゴの一億倍、


つまり鬼隆がもといた地球と同じ位の質量だ。



鬼隆は、唾を飲みこむ。


狂夜が近づいて来たからだ。


この時の鬼隆には、確かにこの男は、悪魔に見えた。



「…どんな事をされても…情報は話さん…やりたきゃやれ…」



「へぇ…」
狂夜は、鬼隆の頭を掴み、何かをしようとした。


…しかし…その行為は、止められた。


後ろから狂
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