下忍編
過程
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は確かに父親によく似ていた。でも、今まで気づけなかった。
それは間違いなく、カトナの弟―九尾の人柱力の弟であるという偏見の意識が、どこかに混じっていたからだろう。
そういう、気づかないうちに根付いていた意識が申し訳なく、なんともいえない顔になったサクラを見つつ、カトナはきっと負けたことに落ち込んでいるんだろうと、勘違いをしながら、サクラの両肩を掴む。
いきなりの彼女の行動に、ぎょっと目を見開いたサクラに、カトナは頭を下げた。
「お願い、ナルトの為に力を貸して」
「え?」
驚いて思わず、カトナの頭を見つめるサクラに、カトナは言葉を続ける。
「ナルトが、忍術をを使えるようになるかも、しれないの!」
「え、!?」
「だからお願い。サクラの協力が無きゃ、出来ないの。だから、だから!!」
「ちょっ、ちょっとまってよ。ナルトが忍術を使えるかも、って、どういうことよ!?」
サクラが思わず、そう言い、ナルトを思い出す。
ほかなら、ありえるかもしれないが、ナルトはどう考えても無理の筈だ。
だって、彼には両腕がない。かけがえがなく、失ってはいけないものが無いのだ。
どう考えても無理がある筈だ。
「手で印を組むんだから、ナルトには使えないんじゃ…」
その言葉に、緩やかに、カトナは首を振った。
「違うよ。別に、手が無くても忍術は使える」
「え!?」
驚愕で目を見開いて、カトナの方に振り返ったサクラに向けて、カトナは持っていた鉛筆で紙に、すらすらと印の形を書きながら、言う。
「両手で印を組む―って、先入観があるから、駄目なんだよ」
「どういう、こと…?」
たずねてきたサクラに、うーんと暫くの間唸っていたカトナは、かりかりと、印という文字を紙の端に書いたあと、印=過程というものを付け加え、離していく。
「印っていうのは、つまり、チャクラを忍術に変換するまでのプロセスや過程。ここまではいいよね?」
「うっ、うん」
「印を組むことで、私達は、チャクラを、忍術に変換してる。けれど、印を組まなくても、変換はできる、でしょ?」
「え、そんなの、出来るわけが」
「いや。いたはずだよ」
その言葉にサクラは今まで見てきた忍者を一通り思い出していく。霧の里の抜け忍である白は、片手で忍術を使っていたらしいが、それも、後後、カトナと一緒に調べてみれば、崩し印という、隠れ里に伝わる秘術に用いられる時の印であった。カトナの言う、印を組まないには、値しないだろう。
ならば、一体誰が?
しばらくの間、カトナは待っていたが、お手上げ状態になったサクラを見て、言う。
「血継限界」
「あ!」
盲点を突かれたと言わんばかりに、サクラが驚きの声を上げ、頷く。
そう、印を
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