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101番目の舶ィ語
第九話。世界の歪み、人の認識?
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いない場所で戦っても、それは『世界』へのアピールになる。
関係ない人を巻き込む危険はないのが救いになるな。
しかし……人を『ハーフロア』にしてしまうのも『世界』。そして、『ロア』が生き延びられるか、消えるかを判断するのも『世界』。
……融通が利いているんだか、利いてないんだか解らないが『世界』っていうのはどうにも厄介な相手らしい。

「まあ、悪い事をするロアばかりではないので、退治の見極めは大事ですけどね」

「なるほど、な。
その辺りは臨機応変に対応するんだな」

「これからは貴方にも私の手伝いをしてもらいます。
役に立たなかったら次こそ無理矢理振り向かせますしね」

「役に立たなかったら、ってのは?」

「本来、主人公というものは知恵や勇気、機転などで窮地を脱するものでしょう?」

「ん、ああ」

「ところが昨日の貴方はどうやって切り抜けましたか?」

……昨日の俺……。

『満足しないなら、もっと強く抱きしめるよ?』

「うわあぁぁぁー」

機転でも何でもなかった。
ただ、己の欲望に正直に、お化け少女を抱きしめた男。
側から見たらそう思われるだろう。

「……き、切り抜けられた事は確かだろ?」

「いきなり初対面のホラー少女を抱きしめながら口説いた男に超引いただけです」

「ダ、ダヨナー……イヤイヤ、なんと言うかそう言う機転も利く男という事で……何とかならないよな?」

ここでアピールしておかないと、俺は『脅されたから主人公を辞めたヘタレ』として有名になってしまいかねない。それは流石に勘弁だ。

「なりませんね。
ですが、まあ、いいでしょう。
しばらく夜霞(やがすみ)で行動しなければなりませんし。
貴方のヒーロー的な能力も、もしかしたら役立つかもしれませんしね」

「そ、そうか。
そういや、さっきから俺が住む街の『ロア』を警戒してるが夜霞には何かヤバいロアがいるのか?」

「いますね、さっき言いました『ロア喰い』こと『魔女喰いの魔女』です。
その候補者となっているのが、先ほど話した七里詩穂と、仁藤キリカです」

(詩穂先輩とキリカが『魔女』?
一体何の冗談だ?)
と思ったが一之江の目はかなり真剣なままだった。

「候補者ですが『裕福な家庭』で『時代に合った美貌』を持ち『才色兼備』でありながら『社交性も高い女性』というのがメイン条件です。他にも交友関係やら性格などで細々と検証した結果……夜坂学園には2人いたという結果でした」

「……その条件には超ピッタリだな。
2人とも金持ちだし」

「この市内に候補者は10名。たまたま同じ学園に2人いたので私は転校してきました」

「どちらかっていうわけではないんだな?」

「ええ。ですが転
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