Interview3 鍵の少女、殻の悪女
「大事に隠しておくわけだ」
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「ぐああああああああああああああっっ!!!!」
入ってくる。歯車が、エネルギーが、マナが、本来こんなに乱暴に体内に侵入してはならないものが。
熱い。細胞が煮えたぎる。四肢が造り替わっていく――!
――やがて全ての歯車がルドガーの肉体を変異させきった時、そこに「ルドガー」の姿はなかった。
立っていたのは、銀のラインが奔る黒いフルプレートアーマーを纏った槍騎士。
「フル……骸殻」
「まさかこれほどのものとは。大事に隠しておくわけだ。優しい兄さんだな」
「っ、当然だろう!」
当事者のルドガーには、兄とビズリーのやりとりはひどく遠く感じられた。
全身を覆い尽くす黒銀の鎧。イリスやユリウスと同じ、殻。何故こんなものが自分にあるのか。答えのない問いで頭が埋め尽くされていた。
「ルドガー……」
ふり返る。エルがすぐ前に立って、泣き出しそうにルドガーを見ている。
(泣かせちゃいけない)
ただでさえ列車テロに巻き込まれ、幼い少女には耐えがたい状況なのだ。これ以上、訳の分からないものを見せてエルを怯えさせてはいけない。
(大丈夫だから)
そう伝えるつもりで、ルドガーはエルに手を伸べる。
ルドガーの手が届く前に、エルは縋るように手を握った。
すると、次の瞬間、アリ地獄に引きずり込まれるような感覚がルドガーを襲った。
「ルドガー……? ルドガー!?」
ユリウスは血の気を失って展望室を見回す。ルドガーはおろか、レイアもルルも、あの少女もいない。
「分史世界に入ったようね」
事も無げに言う女を睨んだ。
女がユリウスたちにとって遠い先祖であっても、「審判」の切り札になりうる特殊な精霊であっても、ユリウスには関係ない。
「どうする、ユリウス? 追いかけるなら誘導してあげる」
「誰が貴様の助けなど!」
この女は敵だ。この女は弟を「こちら側」に引きずり込んだ。
15年間だ。ユリウスが半生を費やして隠してきた秘密を、たった一瞬でぶち壊した。
「あの子を骸殻に目覚めさせたのは、現代の子どもたちと同じことをさせるためじゃない。イリスは在るべき物を在るべき人へ返しただけ。有事に無知のまま利用されるより、力の切れ端でも知って危機を回避してほしかった。ルドガーはそれができるくらいには賢い子でしょう?」
イリスの主張は全く正しい。ああ見えてルドガーは小狡い。ユリウスは身に染みて分かっている。
分かっていても、この修羅の巷を知られたくなかった。
「それにユリウス。本来、他者の時計を用いて変身するのは外法よ。使う時計が増えれば因子化は早まる。もう左半分はやられてしまってるでしょう?」
ユリウスは反射
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