Interview3 鍵の少女、殻の悪女
「泣かないで、可愛い子」
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
。あの時はあれが最善だったでしょう。それに、イリスはクルスニクの子なら守らずにいられないのよ。ゆるして?」
「泣いてないっ。――あの後、大丈夫だったか? ケガ治ったのか?」
イリスはきょとんとルドガーを見返すばかりで答えない。答えたくないのかもしれない。ルドガーが気絶した後に、言いたくない所業を精霊たちに強いられた線も否めないのだ。
「イリスが言いたくないことなら無理に言わなくてもいい。でも、何かしてほしいことがあったら言ってくれ。俺にできることなら、やるから」
「――やっぱり優しい子ね。あの方と同じ」
イリスは少し高く浮くことでルドガーの手から逃れた。拒否、されているのだろうか。とたんに不安が増幅する。
「怪我なら今のクランスピアの医者、リドウという子が治してくれたわ。その後あそこに留まったのはイリスのコレを何とかする術を見出せるかと期待して。無理だったけれど。そういう貴方こそ怪我は治ったの?」
「ああ。もう1年だぜ。傷そのものも軽かったし、すぐ元気になったよ」
イリスは胸を撫で下ろしている。ルドガーのケガの回復を、彼女はまるで我が子のそれのように安心してくれる。
「弄らせてあげるにもそろそろ刻限だったから、脱走させてもらったわ」
「刻限?」
「そう。刻限。間もなく始まる――いいえ、もう始まっている。もう何審目かも分からない。『オリジンの審判』が」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ