Interview3 鍵の少女、殻の悪女
「あぶなくても大事なの!」
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ンデをみじんも感じさせず笑う彼女の精神力。
――また一つ、ルドガーが彼女にオチたエピソード。
「俺が先に行く。レイアは算譜法、じゃない、精霊術でバックアップしてくれ」
「それこそ危ないよっ。ルドガー、完璧に一般市民じゃないの」
「そっちこそ今はエレンピオスの一新聞記者だろうが。とにかくレイアは後衛、俺が前衛。これだけは譲らないからな」
「ルドガーの頑固者! わたしだってちゃんと戦えるの知ってるでしょ!?」
誰が好き好んで、好ましく思っている女子を激戦区に投入したいものか。勢い任せに言ってしまいかけ――
頭上から銃撃戦の音と、断末魔が聴こえた。
ルドガーはレイアと顔を見合わせた。
「「行こう!!」」
何が起きたか分からないが、もうどちらが先などと言っていられないのは確かだ。
彼らはラウンジを抜け、列車上層に繋がる階段を駆け登り、2階展望室に突入した。
「きゃっ」
「見るな、レイアっ」
ルドガーはとっさにレイアを背中に隠した。
黄砂が混じった金光が、一面ガラス張りの天井から燦々と降り注ぎ、ドームの模様を浮き立たせている。その幻想的な光景の中にそぐわない、いくつもの死体。誰もが床を血で濡らし、目をぎょろりと剥いて絶命している。
そして、これらを処理したであろう、この場の唯一の生存者が、ふり返った。
「ルドガー…レイア君も…何故ここに…」
ユリウスの両手には二つの懐中時計が握られている。
就職祝いに欲しいと試しに言ってみて、やんわりと断られた品。
ユリウスが必ず仕事に持って行く銀と真鍮の時計。
エルが首から提げていて、ルドガーが触れるや消失した真鍮の懐中時計。
「ユリウスこそ、どうして」
「――、仕事だよ」
「テロリストの処分が?」
「悪いが教えることはできない」
「エージェントだから危険な任務に就くのは分かる。でもテロリストをこの車両で片付けるには、最初からこの列車に乗ってないと無理だよな?」
「――――」
「一つだけ答えてくれ。一つだけでいい。ユリウスは今日アルクノアのテロがあることを知ってて、この列車に乗ったのか?」
知っていて無関係な乗客が死ぬのを傍観したのか。
「……俺がここにいたのはヴェルに用があったからだ。テロのことは本当に知らなかった」
「信じていいんだな?」
ユリウスは固く肯いた。嘘ではない。そう分かる程度には、ルドガーとユリウスの兄弟仲はしっかりと結びついていた。
粘つく睨み合いの中、再び場違いな拍手が乱入してきた。
「私はいい部下を持った。さすがクラウンエージェント・ユリウス。仕事が早い」
ビズリーとヴェル。それにエルとルル
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