Interview3 鍵の少女、殻の悪女
「男なら責任持てよ」
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うから、それを直すか、最悪壊すかして停める」
「やる気か……面白い」
ルドガーはエルを後ろからビズリーの前にそっと押し出した。
「無理を承知でお願いします。彼女をしばらく預かってくれませんか? 彼女、保護者がいないみたいなんです。けどこの先連れて行くには危険すぎますから。お願いしますっ」
勢いよく頭を下げる。会ったばかり、しかもかのクランスピア社の社長に対し不躾な頼みだとは自覚している。だが他にエルを託せる宛てはない。それに、初対面なのに何故か、ビズリーなら大丈夫だ、という不思議な確信があった。
「――頭を上げたまえ。この少女は責任を持って私が預かろう」
「! ありがとうございます!」
言質は取った。
ルドガーはヴェルに頼んで手帳のメモの切れ端を貰い、それにユリウスのGHSの番号を書き込む。そして、エルの前にしゃがむと、両手でしっかり、エルの手にメモを握らせた。
「いいか、エル。もし俺たちが間に合わなかったら、ビズリーさんと一緒に列車を脱出しろ。そしたらこの番号に電話するんだ。俺の兄さんに繋がる。こいつの飼い主でもあるんだ。ルドガーからって言えば、兄さんも悪いようにはしないはずだ。きっと家に帰してくれる。できるか?」
エルはメモを両手で握りしめて、強張った表情で肯いた。
「いい子だ。――ルル、この子を頼んだぞ。お前が連れてきたんだ。男なら責任持てよ」
「ナァ〜!」
意気軒昂とした鳴き声に満足し、ルドガーは立ち上がった。
通路に転がった双剣を拾う。元々エルからの借り物だが、永久貸借させてもらおう。
ルドガーはレイアと示し合せ、先頭車両へ、ふたりだけの進撃を開始した。
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