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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第9話:酒は飲んでも飲まれるな
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上させようと考えてたので、部下のリクエストに応えこの店に訪れた。
私が現在戴いてる給料であれば、もっと高い店でも問題ないのだが、それ程この店は人気だと言う事だろう。
人集りが出来ている店内のカウンター席を横目に、私は秘書官のレクルト・補佐官のスピーア……その他アシスタント等3人を伴い奥の席へと腰掛ける。
アルバイトだと思われる若い女性店員に、酒と料理の注文をして暫く待つ。
すると直ぐに酒だけは届けられ、部下達との乾杯を交わした。
「それにしても……ウルフさんは凄い出世ですよね」
今年21歳になるレクルトが、同じ様な肩書きのウルフ君を思い出し、羨ましそうに呟いた。
軍務大臣の秘書官か、国王陛下の秘書官かで違いは大きくあるだろうけど、年が近い事もあって親しい間柄らしく、嬉しい反面ジェラシーも感じてるみたいだ。
「確かに凄い出世だが、それだけ能力もあるって事さ……それにリュカ陛下の直属の部下だ。並の神経じゃ務まらないんだよ」
そう、リュカ様の直属なんて、胃薬をダース単位で購入しても足らないだろう。
あの
妻
(
ドリス
)
が嘆いたほどだから……
「ですが閣下……それだけでは無いと思いますよ。だって彼の彼女は2人とも……」
スピーアが声を潜ませコネクションの強さを主張する。
私もその影響が無いとは言わない。だが……
「その事は口にするなスピーア。まだマリー様もリューノ様も、世間に身分を明かしてはいないのだ。知ってるのは上層部の極一部……」
私は声を潜め注意を促す……“解ってます”と口にはしたが、縁故出世に対して不満がある様子だ。
「陛下の叔父である国務大臣の娘と結婚した私が言っても説得力無いかもしれないが、リュカ陛下は使えない奴に仕事を任せる様な人ではない。自分が楽になる為に率先して優秀な人物を登用するのが、あの人なのだからな」
不満はまだ解消してない様だが、良いタイミングで料理が届き気分が一新されたので、この話は終わりになった。
可愛いアルバイトの女性に礼を言いたい気分だよ。
しかし何処かで見た事ある様な女性なんだよなぁ……そんな事を口に出したら“ナンパか?”と言われそうなので黙っておくがね。
「それにしても、何時だって混んでる店だなぁ」
話題を変える為に店内を見渡し感想を述べ部下達に視線を向ける。
「そうですね……特に最近になって、客入りが増えたみたいですよ」
何かを知ってるのかスピーアが返答する。
「ほぅ……何でまた?」
良い事だと思うので別に問題点を探したかった訳ではないのだが、スピーアの言葉に裏がある様に感じ問い質してしまう。
「あれですよ……あのカウンター席の人集り」
私も入店して真っ先に目撃したのだが、若い連中がカウンター席に群がっており、時折歓声を上げているのだ
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