第六章 正義の在り処編
第百九十二話 『ファング隊…友達との戦い』
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ように、
「オジキも親父も正義を貫いた。それでも、最高評議会の連中ときたら………ッ!」
ギリッ!と歯ぎしりをするロボ。
そこにはエリオ達の知っている人懐っこい性格のロボはいなく、代わりにまるで最高評議会に牙をむく狼のような、狩人のような冷酷な姿があった。
「だから、復讐するの………?」
「勘違いをするな。これは復讐とかそんな小悪党の考えそうなことじゃねーんだよ。オジキも言ったろ? これは粛清だと!」
「それでも! もう最高評議会の人達はいずれ裁かれることになっている! 罪を認めている! だからこれ以上の粛清なんて意味ないよ!」
「意味ない、だと? これだから甘ちゃんなんだな」
「僕たちが甘いだって………?」
「そうだろ! 最高評議会の連中は罪を認めている? 償っている? いいや、それはないね。そんなものは一時凌ぎの言い訳だ。出所して外に出てくればまた同じことを繰り返す。また罪もない人々の不幸を招く。俺たちはそれが一番許せねーんだよ!」
「そんなことは………!」
「ない、と言い切れるのか………?」
「それは、けど………!」
それでエリオの言葉は止まってしまう。
「失ったものの気持ちなんて所詮仲間を失ったことのない奴になんかわからないんだよ!」
それを聞いてエリオは少し涙目になり、対して黙って見守っていたキャロはカチンときた。
エリオはかつて家族だと思っていた人達に捨てられた過去がある。
仲間を失うという事は今のところはないが家族という縁を確かに失ったのだ。
キャロも部族から追放されてフリードやヴォルテールがいたが寂しい思いをした。
エリオとキャロはフェイトが現れるまで深い暗闇の中にいた。
だから理由は違えど失ったものの気持ちもわかるのだ。
だからキャロは言う。
「あなたこそエリオ君の過去のことを何も知らないくせにでかい口を叩かないでください!」
「エリオの過去………?」
「エリオ君は………!」
キャロが言いかけるときに突然肩に重みを感じてキャロは振り向くとそこにはどこか寂しい表情をしたシグナムがいた。
どうやら話を聞いていたのだろう。
「キャロ………。彼らに今エリオのことを話しても聞き入れてもらえないだろう………」
「でも、シグナム副隊長!」
「今は頭を冷やせ」
コチン!と軽く突かれてキャロはシュン………と大人しくなる。
それでエリオとキャロの脇を通りシグナムが前に出てくる。
同時にあちらも静観していた獅堂凰華が前に出てくる。
「私は機動六課ライトニング分隊副隊長シグナム二等空尉だ」
「あたしはブリューナク隊第一小隊“ファング隊”の隊長、獅堂凰華陸曹だ」
二人が名乗りあった瞬間に一瞬だが二人の間で火花が散ったのをエリオ達は感じた。
「お前
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