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ぷっ」

 彼女は、一瞬きょとん、とした表情を見せて。

 直後――――

「あははははははははははっ!! なるほど! 俺らしくないってか! 納得だ。自分でも薄々気が付いてたんだ。あっはっはっはっは!」

 壊れたように腹を抱えて笑いだした。

「……」

 ――――自分でもそう思ってたのかよ!

 思わず内心で突込みを入れてしまう。

 だが同時に、確かな安心感を得たのも真実だった。こうやって他人の裏をかいて、奇想天外な方向から仕掛けてくるのが栗原小波という、清文のたった一人の姉だ。


 そうこうしているうちに、いつの間にやら空港に到着していた。

 荷物を大門が引出し、手渡してくる。

「……御達者で。清文様」
「ああ。大門も元気で」

 すると彼は、そのキリッ、と引き締まった表情を、一瞬だけゆるめて、微笑んでくれた。

「清文」

 そして、小波は。

「……また……姉ちゃんに、かっこいい所見せてくれ」
「ああ――――またな、姉ちゃん」

 清文と、お互いの拳を打ち付け合った。

 少なくとも、イギリスと日本の間の距離を考えれば、そう簡単に会えるとは言えない。姉弟の別れとしては、随分あっさりしていたが――――

 清文は、これでいいと思っていた。俺達の別れなんて、多分こんなもので十分だと。

 だってどうせ――――その内、また会うんだろうから。


 そうして清文は、大英の地を後にして――――


 
 ***



「清文!!」
「うおっ!」

 ロビーに姿を見せた瞬間、突然飛び込んできた小柄な体を清文はとっさに受け止めた。約半年ぶりに直接会う杉浦琥珀は、以前よりもどこか大人びて見えた。

「よかった……ちゃんと到着するか……その……し、心配してたんだからね!」

 付き合い始めてもう二年近くになるのに、いまだに時々素直でなくなる彼女を見て、苦笑する清文。

「そうそう事故なんて起きないさ。いざとなったら『自分で何とかする』」
「うん……何か……やめといた方がいい気がする……」

 自分でもやりたくない。そう思う。

 とにかく。

「……帰ってきたんだな。俺」

 そう、強く実感した。ふと見れば、ロビーの向こう側に見知った人物が何人もいる。元気に手を振っている、赤い髪の毛の少年は四条和也(カズ)だ。その隣にハクア、そしてハクガ・ハクナ兄妹の師弟。
 
 その隣には、京崎秋也と、彼の押す車いすに乗った遠坂笑里。本当に久しぶりに見る、銀色の髪の人間はなんとゲイザーだ。リアルで直接会うのはこれが初めてだ。

 そしてすこしだけ伸びた髪を肩に垂らした天宮刹那と、以前よりも柔らかくなった笑顔の天宮陰斗。今日初
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