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話だが、なんでも雪の多く振る田舎町に住んでいたらしくて…そこは陰斗が清文たちと出会う前に住んでいた場所の近くだった…、最初こそ困惑していたらしいが、現在は陰斗の数少ない友人として交友してくれているらしい。彼の友人としては感謝しきれない思いだ。

 そして、清文の帰還を日本で今か今かと待ってくれているのは、杉浦琥珀だ。本当は彼女もイギリスに残りたかったらしいが、清文が全力で頼み込んで帰国してもらっていた。これ以上彼女に無理はさせたくなかった。

 帰ったら、なんて言われるかな。

 こっちがいう事は、もう決まってるんだけど。


「清文……今まで世話になったな」
「また来いよ。俺も姉貴も待っている」
「ったく……褐色野郎も兎野郎もへらへらしやがって。おいセモン。お前はまだ未熟なんだからな。精進しろよ」

 千場(ラーヴェイ)黒覇(コクト)、そしてあの《白亜宮》騒動以後に初めて顔を合わせた竹王斬彦(ウォルギル)達も(一応は)笑顔で見送ってくれた。

「ああ……ありがとう」

 こちらも笑顔で応じる。彼らには本当に世話になった。ラーヴェイにはリアルで、コクト《六門世界》での旅で、清文/セモンを大きくサポートしてもらっていた。ウォルギルとは《白亜宮》騒動以後からしかかかわっていないが、彼のおかげで随分剣術が上達した気がする。なんせ本当はセモンの《師匠》になるはずだったのだ。上手なはずである。

「……セモン!」
「リーリュウ」
 
 真剣な表情で見つめていた、様々なデータが表示された大型ディスプレイから顔を上げ、里見良太郎が破顔する。彼とはここ数か月で急速に仲が良くなった気がする。

 カズが雪村の家に正式に迎え入れられ、ハクガ、ハクナがハクアに付いて日本に渡って以来、イギリスには彼だけが残っていたのだ。かつての師と共に《ボルボロ》のオペレーターになるらしい。機械にはつよいんだ、という話だった。

「行っちまうんだな……少し、寂しくなる」
 
 砕けた調子で話すリーリュウ。かつてはもっと硬い少年だと思っていたのだが、意外にこういう面が多い奴だった。まぁ、なんとなくやけにノリがいいあたりから予想はしていたんだが。

 別れを惜しむリーリュウに対して、清文は笑顔で答える。
 
「ああ。またいつか来るよ」
「……約束だぞ」

 そう言って拳を打ちつけ合い――――


 《時計塔》を後にする。

「お待ちしておりました。お嬢様、清文様」

 車の前には、大門が待ち構えていた。彼に促されてリムジンに乗り込むと、意図せずして小波と対面的に座ることになってしまった。

 改めて見ると、本当に自分によく似た顔だ、と、今更ながらに実感する。琥珀が以前彼女のことを、「清文が女の子だったら将来
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