暁 〜小説投稿サイト〜
牙狼<GARO>―黄金の嵐(かぜ)―
第一章「失われた黄金」
#1、牙―Evil shine―
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いてはこない。
「・・・もう知らないからね」
 とうとう業を煮やし、母親は子供を置いて歩き出した。途端に子供の泣き声が止む。
「・・・?」
 泣き止んだのだろうか?そう思い、母親は後ろを振り向いた。・・・そこには、
「五月蝿い餓鬼だ・・・」
 背の高いコートを着た男が子供を睨んでいた。・・・見るからに普通じゃない。そう思った母親は一目散に子供駆け寄る。
「親の言う事が聞けないのなら・・・」
 バキバキ・・・と骨と肉体が変質する音が響く。母子は怯えた様子でそれを見ていた。
「俺が代わりに躾けをしてやる・・・!」
 そう、男が人間以外の『ナニカ』に変質する様を・・・。

―話を元に戻し、ヤシオの家。

「ただいまー・・・、って誰もいないか」
 鍵を開け、家の中に入る。時刻は午後6時、お腹がすいたのでコンビニで弁当を買いそれを食べた。その後、テレビを見る。ヒーローモノのアニメだ。
『正義の味方、ふたば仮面参上!』
 双葉をモチーフにした仮面をしたヒーロー、ふたば仮面。過去に放送された『アクション仮面』の流れを汲んだ子供達に人気の特撮ヒーローである。
『おのれ、大地を汚す怪人め!今此処に正義の鉄槌が下される!行くぞ!必殺ふたばパーンチ!!!』
 テレビの中でふたば仮面が怪人に必殺技を繰り出し怪人を撃退する。ヤシオは目をキラキラさせながら見ていた。
『今日もまた世界の平和が守られた、来週も正義の心が芽生えるぞ!』
「やっぱ、ふたば仮面はサイコーだよな。・・・あいつら何も分かってねーんだ」
 番組が終わり、ヤシオは呟きながらチャンネルを変え今日の学校の事を思い出していた。
 
―今日の昼の事だった。

「あーあー、ヤシオの奴又かよ。いまどきふたば仮面なんかマジありえねー」
 クラスメイトの一人がそれを言った事に腹を立て、机を蹴りつける。
「うっせーな、何か文句あるかよ?」
「・・・へっ、ヤシオよう?お前マジ、ガキな。そんなん俺、とっくに卒業したぜ?」
 そんなヤシオを鼻で笑いながら頭に手を置く。
「今時、ヒーローなんてはやらねーんだよ」
「てめぇ!気安く触るな!!!」
 それが引き金となり、殴り合いの喧嘩となった。当然、教室は大騒ぎである。
「何やってるんだ!こら!やめなさい!!!」
 そこへ、騒ぎを聞きつけたのか担任である鎌田がヤシオ達を止める。その後、放課後職員室に来るように言われたが、ヤシオは言うとおりにせずそのまま家に帰ったのである。

「ったく、オレは悪くねーのに何で行かなきゃなんねーんだよ」
 それを思い出し、一人毒づくヤシオ。ふと、ある映像を見てそれに釘付けになる。
『ええ、そうなんです・・・ちょっと目を離したすきにこの子が・・・。気がついたら病院に・・・何がなんだか・・・』

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ