断章1:高町なのは
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ゲオルグとはやてが通信を介した会話を終えたのと同じころ、
戦技教導隊に所属する1等空尉、高町なのはは自室に帰ってきた。
夕食を食べ、シャワーを浴び、濡れた髪を乾かすと、なのはは一人で寝るには
あまりにも大きいベッドに倒れ込んだ。
この部屋はなのはの親友である執務官、フェイト・T・ハラオウンと2人で暮らす
部屋であり、なのはが寝そべっているベッドも普段は2人で使っている。
だがこの日はフェイトが仕事で不在にしており、なのはは広いベッドの上で
一人大の字になって寝ころび、天井を見つめて今日一日の出来事を振り返っていた。
(午後の教導はちょっと大変だったなぁ・・・。午前が会議で助かったかも)
人前、特に訓練生の前では絶対に弱音を吐かないなのはであるが、
その実19歳のうら若き乙女である。
男性魔導師たちを相手に激しい模擬戦を毎日のように繰り広げれば疲れもする。
そんなときにはフェイトに愚痴をこぼすこともある。
ただ、今日はあいにく一人きり。
彼女は天井をぼんやりと眺めながら、小さくため息をつくのだった。
(そういえば、今日はゲオルグくんとお昼を食べたんだっけ・・・)
なのははベッドの上で身体の上下を入れ替えてうつ伏せになると、
ベッドの脇にあるチェストの引き出しを開けて、その中から1枚の写真を
取り出した。
そこには苦笑を浮かべたバリアジャケット姿のなのはと、
ぶすっと不機嫌そうな表情のゲオルグが並んで写っていた。
なのははニヤニヤと笑みを浮かべた顔で写真を眺めていた。
その足はパタパタとベッドを優しく叩く。
(このときもゲオルグくんとお昼を食べてたんだよね、確か・・・)
なのはの心は写真が撮られた時へと飛ぶ。
さかのぼること1年半ほど前、ある夏の日の午前のことである。
この日、なのははフェイト・はやて・ゲオルグの3人と街に出かける
約束をしていた。
ところが前日になって、フェイトとはやてから急用で行けなくなったとの
連絡が入ったのである。
なのははゲオルグと連絡を取り、お出かけを中止しようかとも話し合ったが
お互いに多忙であり、休みを合わせられる機会も珍しいということで、
2人で出かけることに決めた。
なお、この時点で2人にこれがデートという発想は全くない。
そして当日。
クラナガンの繁華街近くにある広場。
その広場の中央にある噴水の側でゲオルグはなのはを待っていた。
彼は待ち合わせ時間の15分前に到着し、すでに10分ほど経過している。
「ゲオルグく〜ん!」
横から自分を呼ぶ声が聞こえ、ゲオルグがそちらに顔を向けると
大きく手を振りながら駆け寄ってくるなのはの姿がそこにはあった。
彼女はフリ
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