断章1:高町なのは
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なのはに行く手を阻まれたゲオルグは僅かに目を細めてなのはの顔を見下ろす。
「うん。あのね、ちょっと言っておきたいことがあって・・・」
対してなのはは恥ずかしげな様子でゲオルグの顔を上目づかいに見上げる。
「カフェでわたしを守ってくれてありがとね、ゲオルグくん」
そこで一旦言葉を切り目を閉じるなのは。
彼女の双眸が再び開かれたとき、彼女の頬はほんのりと赤く染まっていた。
「ゲオルグくんがかっこよくってドキドキしちゃった」
そう言ってなのははゲオルグに背を向けて歩き出す。
「なっ・・・」
なのはの言葉を聞いたゲオルグは、絶句して遠ざかっていくなのはの背を
ぼんやりと見つめていた。
そして、ふと我に返ると駆けだしてなのはの背後に迫り、
揺れる彼女のサイドポニーを掴んで軽く引っ張った。
「もうっ! わたしの髪引っ張るのいいかげんにやめてよ!」
悪戯を成功させニヤニヤと笑うゲオルグの肩を、頬を膨らませたなのはが
ポカポカと叩く。
そうして2人は帰路につくのだった。
(ゲオルグくんを男の子として意識し始めたのってこのときだよねぇ・・・)
回想に耽っていたなのはは我に返り、再び手の中の写真に目を向ける。
そして、不機嫌そうな表情のゲオルグをじっと見つめていたなのはは、
しばらくしてため息をついた。
(それ以来ゲオルグくんと会うたんびに妙にドキドキしちゃって・・・
それが何か分からなくて結構苦しい思いもしたけど、
恋なんだって気づいてからはドキドキも楽しめるようになったもんなぁ・・・)
なのはは写真の中のゲオルグに一度ニコッと笑いかけると
写真をもとの引き出しの中に丁寧にしまい、仰向けになってシーツを被った。
(ゲオルグくん、機動6課に行くのを迷ってるみたいだったなぁ・・・。
いっしょの職場で働けたらいいのになあ・・・)
そんなことを考えつつ、なのはは眠りに落ちて行った。
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