断章1:高町なのは
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ルのついた半そでのブラウスとひざ上丈のスカートといういでたちで、
ヒールを鳴らしながらなのははゲオルグの前までくると、ピタッと足を止めた。
「おはよう、なのは」
「おはよ、ゲオルグくん。 ごめんね、待たせちゃって」
「いやいや、まだ時間前だよ。 俺がちょっと早く来すぎただけだから」
なのはの謝罪に対してゲオルグが手を振りながら答えると、
なのはは自分の腕時計に目をやってにっこり笑った。
「ホントだ。 早いね、ゲオルグくん。 どれくらい待ったの?」
「10分くらいかな。 全然なんてことないからいいよ」
「そう? じゃあ、いこっか!」
そして2人は並んで通りを歩きだした。
夏の強い日差しを避けて、2人は建物の影の中を歩く。
目的地は近くにある映画館である。
「なあ、なのは。 そんなカッコで日焼けは大丈夫か?」
ゲオルグがなのはの姿を見ながら尋ねると、なのはは意外そうに首を傾げた。
「ふぇ? 大丈夫だよ? だって日焼け止めちゃんと塗ってきたもん」
平然とした口調でなのはは答える。
「そっか。 ならいいけど、なのはは色白なんだから気をつけないとダメだぞ」
「あれ? 心配してくれるの?」
軽く苦言を呈するゲオルグに対して、なのははゲオルグの顔を上目づかいに
見上げて尋ねる。
するとゲオルグは少し唇を尖らせるようにして、なのはの額を指ではじいた。
「いたっ! もう、なにするの!?」
「なんとなく、なのはのデコをはじきたくなっただけだよ」
なのはは頬を膨らませるが、ゲオルグはその言葉を受け流して笑う。
繰り返すがこの時点でもなお、この2人にデートをしているという意識はない。
やがて2人は目的地である映画館の前にたどりついた。
「さて、と。 どれを見る? もともとははやてがこれを見たいって言ってたけど」
「うーん、そだねぇ〜・・・」
ゲオルグがサスペンスものの作品のポスターを指差しながら尋ねると
なのははその顎を指で叩きながら上映中の映画のポスターを順番に眺めていく。
しばらくして、なのはの目はとある一枚のところで止まる。
「あっ、これなんかどう?」
そう言ってなのはは巷で話題になっているアクションもののポスターを指差した。
「おっ、いいんじゃないか? 俺も見たかったんだよ、これ」
「ホントに? じゃあ、これにしよっか」
笑みを浮かべて頷くゲオルグに対して、なのはは嬉しそうににっこり笑った。
そして2人はチケット窓口に向かって歩き出した。
2時間後。
映画の上映が終わり、なのはとゲオルグは映画館から出てきた。
「う〜んっ! 面白かったぁ〜!! ね、ゲオルグくん?
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