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【完結】剣製の魔法少女戦記
第六章 正義の在り処編
第百九十一話  『スターズ隊の戦い、驚愕するティアナ』
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いだったのだから。
だが、今ティアナの目の前にティーダは生きた姿でそこにいる。
それが嬉しい反面、どうして犯罪組織に加担しているのかという思いがティアナのクロスミラージュを持つ手を震わせた。
今にも銃口を落としそうになりながらもなんとか必死に堪えてティアナはティーダに威嚇の意味も込めて銃口を向けている。
ティーダもティーダで優しい笑みを浮かべながらも、しかしすぐにつらそうな表情になり、

「ティアナ。通させてもらうよ。この先には殺さなきゃいけない人たちがいるんだ」
「ダ、メよ。兄さん、やめて! こんなことは………!」

ティアナはとうとう堪え切れなくなってきたのか涙をポロポロと流しながらも必死にティーダにやめてと必死の説得をする。
そんなティアナの横でヴァイスが堪忍袋の緒が切れたような憤怒の表情を浮かべている。

「てめぇ………ティアナの兄貴なんだろうが! なんで今までティアナの前に顔を出さないでいた!? こいつがどんだけ悲しい思いをしていたかわからねぇほど馬鹿じゃねーだろ!? それになんだ! 今更顔を出したと思ったら犯罪者気取りか!? ふざけんじゃねーよ!!」

ヴァイスが珍しくティアナのために怒りを顕わにしている。
しかしこれはティアナの今までの想いを知っていれば当然の反応であった。
兄の意思を継いで執務官になろうと頑張ってきたというのに今ティーダはティアナの敵として立ちはだかっている。
それがヴァイスにはどうしても我慢ならなかった。
そんなことを兄がしていいことなのかと! 否! 断じて否だ!
そうヴァイスは思い、

「てめぇはティアナの兄貴失格だ!」
「………そうだね。君のいう通り僕はティアナの兄としては失格なのだろうね。でも、瀕死の僕のことを助けてくれたジグルド提督の恩義に報いるためにも今は心を修羅と化すよ。そこを、どいてもらうよ? いくよ、幻影の牙………ミラージュファング」
《了解です》

ミラージュファングというデバイスはそう発して強行突撃形態であるダガーモードへとその姿を変える。
それでティアナも胸が苦しいながらも同じくクロスミラージュをダガーモードへと変えて、

「兄さん、あなたを止める………! やぁあああーーー!!」
「来い、ティアナ! はぁあああーーー!!」

そこからはティアナとティーダの銃剣による剣戟が始まった。
お互いに魔力刃をぶつけ合い戦いを演じる。
時に魔弾も放ち距離を離しながらも戦いは続いていく。
しかし次第にそれはティアナが優勢になり始めた。
やはりシホの教えがよかったのか、ティーダは少し息を切らせているのに対してティアナはまだまだ余裕でいる。

「やはり、強いねティアナ。見違えたよ」
「兄さんを目指して強くなったのよ! なのに、だってのに………ッ!
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