暁 〜小説投稿サイト〜
Santa's Claws〜サンタズ・クローズ〜
-第2話〜タナと村に忍び寄る影〜
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た顔でタナの前に来た。

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「ラケンナさんの事は聞きました。非常に残念です。この村のゲカプラント建設計画以前から助けてくれた優しい友人でした…研究者としても優秀だった…唯でさえアウタレスの目撃例が増えているというのに、これではゲカプラントのイメージが地に落ちてしっ、まっ…うぅ…」
スフェルは泣き出した。
「またか…男がそう泣くなよ…増えたアウタレスについてはちゃんと調べているって。」
タナがスフェルの肩に手を置き、彼を宥める。
「今度は近隣住民になんと説明すれば…あぁ胃が痛い…ラケンナさんは何か言い残してはいませんか?」
「ああ。タズが何か聞いたと言っていたな。」
スフェルの表情は少し良くなった。
「ほう。彼はなんと?」
「アウタレスはゲカプラントではなく、別の要因で増えているのだと。」
「その要因とは?」
「分からないわ。現段階では確証もない。いずれにせよ更なる調査は必要だな。」
タナの話を聞いたスフェルは笑顔を取り戻し、口調も元に戻る。
「そうですか。早くこの問題を解決しないといけないですね。私も頑張って、彼に恩返ししないと。」
「そうだそうだ。その調子だ、ぞ!」

ドン

タナがスフェルの肩を叩いた。
「い、痛いです…」

スフェルは帰っていき、タナは自室で仕事の続きをしていた。彼女は端末に繋がったコードを取り出し、先端の端子を手術された彼女の耳たぶに挟んだ。すると自分の意思だけで端末を操作できた。制御型人工頭脳(制工脳ともいう。サイボーグの脳、いわば電脳)を持たない人間にとって擬似的に制工脳の操作ができる通信技術、外付け制工脳だ。電子攻撃を受けても接続を簡単に切り離せるので使用者本人を危機的状況から脱しやすい。メカ・アウタレス等の脅威により、アウタレスの制工脳手術は一般的に認められていないので、この技術のアウタレス利用者数は多い。タナは近隣の情報収集をしている際、近くの空港が提供する記録に目を通し、気になる情報を見つけた。彼女は端末を切り天井を見上げ、しばらく考え込んでいた。

ムスタ・プキンの昼、タズは愛用のスノーモービルに乗り林を駆ける。ここは村の北の丘にある深い林の中だ。この辺にタズの住処がある。彼は家に近付くにつれ自身の家の異変に気付く。サブマシンガンを抜き、家の周りを警戒後、タズは家の中に踏み込んだ。

部屋の奥でシャワーの音がした。

「はぁ…」

大きなため息の後、タズは普段家に帰ってくる時と同じように装備を外し、手入れをした。やる事がなくなった彼は椅子に座り、貧乏ゆすりしながら何かを待っていた。しばらくしてシャワー室からバスタオル姿の女が出てきた。タナだった。

「遅い。」
「また何やってるんだ。」
タナの言葉を無視し、タズ
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